10月に入り、多くの会社が内定式を開いたことでしょう。人事担当者は内定式を迎えられたという安心と、一方で入社までの対応に不安を感じている人もいるかもしれません。今回は、入社までにこれだけはやっておきたい内定者教育について考えてみましょう。[中尾英明,Business Media 誠]
10月に入り、多くの会社が内定式を開いたと思います。人事担当者は無事に内定式を迎えられたという安心と、入社までの対応に関する不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
私は会社を経営するかたわら、これまで採用の“現場”を見て、さまざまなアドバイスを行ってきました。
また、アドバイスだけではなく、自らも採用実務者として多くの企業を支えてきました。ほかにも、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。
そこで今回は、「入社までこれだけはやっておいたほうがいい内定者教育」をテーマに進めていきたいと思います。
1.近年求められる内定者のスキルアップ
最近になって内定者教育という言葉を多く聞くようになってきましたが、10年ほど前までは「4月から頼むよ、今は学生生活を楽しんで」と言われるくらいで、課題図書ぐらいはあったものの、それ以上の教育はそれほどなかったように思います。
それが急速に言われるようになった背景には、学生の「社会人になるんだ」といった自覚、マインドを含めたスキルの低下があるのかもしれません。
また激動の時代ですから、以前のように企業側に余裕も少なくなり、入社後いかに早く活躍してもらえるかという必要性も、増えたきたように思います。中には3月に入社させ、研修を行う会社も出てきました。
ですから、多くの企業の内定者教育の大きな目的は「いかに実践に則したマインドを含めたスキルアップができるか」ということになると思います
2.実践的な内定者研修とは何か
みなさんが考える実践的な内定者研修とはどのようなものでしょうか? 人事の人が誤りがちなケースとして、内定者ゆえ講習や座学を中心に考えてしまいますが、それでは本当の意味での実践的な内容にはなりません。
私は25年ほど前、新卒でリクルートに入社することになりました。するとまわりの内定者は、つぎつぎと会社でほぼフルタイムで営業アルバイトを始め、社員同様に働くようになりました。当時のリクルートでは、内定者にも目標が与えられ、表彰もされ――というように、社員同様に働くことができました。
最初、他のアルバイトとの兼ね合いで週に1日程度しか参加出来なかった私は、かなり焦って負けじと頑張ったことを覚えています。
上記のように実際に営業をするということは若干ハードルがあるとしても、会議への参加やシステム開発の現場にいることや社内の生の情報に触れることは、内定者にとって意識の変化が見られるだけでなく、成長のきっかけにもなります。
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