集団慣性という日本的気質が自社の差別化を邪魔している

2013.05.08

経営・マネジメント

集団慣性という日本的気質が自社の差別化を邪魔している

今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長

他の人がやっていることであれば、と安心して行動することや、あるいはその行動が皆がやっているためになかなか変えられないような現象を「集団慣性」と呼ぶ。この集団慣性が日本の特徴のように言われている。高度成長期のような皆が同じことをやっていても多くの人がうまくいった時代は、むしろその特徴がいい面もあったのかもしれないが、ここにきてこの特徴が変革を遅らせている要因になっている。

それが受注できなかった原因かどうかは分からないが、恐らくあまりご気分はよろしく無かったことだろう。

至るところで「集団慣性」に基づく会話がされている。

人事部長が社長に、管理職にこんな研修をやりたいとプレゼンテーションをする。

社長がすぐに「同業他社はどんなことをやっているか調べてあるのか」

人事部長が社長に、今度人事制度の改定を行いたい、と相談に行く。

社長がすぐに「他社の研究は十分したんだな?今、最先端の考え方にしてくれよ」

事業を考える時には、経営学の聞きかじりで「差別化」「差別化」と社内に連呼し、要望しながら、組織や人事のことになると「同業他社は?」「他社事例は・・」「流行の最先端の・・」のオンパレードになってしまうという不思議な現象をどう理解すればいいのだろう。

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今野 誠一

今野 誠一

株式会社マングローブ 代表取締役社長

組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。

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