企業経営は経営者の経営哲学と投資家(株主)の投資哲学によって行われていると言える。経営哲学と投資哲学について考えてみたい。
経営者の経営哲学を受けとめるのは、組織の所有者である投資家(株主)である。それが経営者自身であることも多いであろう。
顧客や取引先も部分的に経営を評価する。しかし、それは投資家ほど総合的な評価にはならない。顧客は最小限のニーズを満たす製品やサービスが提供されればそれ以上を企業に望まないだろう。顧客のニーズを満たすために最低限の信用があれば十分ということになる。取引先も取引に見合う金銭的価値の授受があればそれ以上は経営に関与しないだろう。契約を遂行するために最低限必要な信用があれば問題にならない。
消費者の購買は好みによって、企業取引は経済的合理性によって行われる。基準に満たなければ取引は成立しない。経営哲学などは、短期的にはほとんど無関係である。
しかし、経営には必ず良い時期と悪い時期がある。小泉元総理も人生には上り坂と下り坂、さらには、「まさか」があると言っている。企業も同じである。優良企業と評価される大企業でさえ経営危機を迎えたことのない企業を私は知らない。
経営が思わしくない時期に最も重大な意味を持つのは投資家からの評価である。投資家の評価を決めるのは投資家の価値基準であり、投資哲学である。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2007.11.27
2007.12.04