Numberという雑誌は、ほとんど読んだことがない。しかし、この人が表紙の時には自然に手が伸び、財布に手がかかっている。その人の名は三浦知良。言わずと知れた「キングカズ」である。しかも、この号の特集記事が「The Choice, A Way of Life:選択の人間学」と来ているじゃないか。18人のアスリート達の選択の人間学が掲載されている。どの人の話も、正に人間学。自分の生きざまに照らし合わせて、興味深く読んだ。
どの人の話も、正に人間学。
自分の生きざまに照らし合わせて、興味深く読んだ。
キングカズの次に僕の興味を引いたのは、同じ岩手県出身で注目していたということも手伝ってであるが、花巻東高校から、日本ハム入りを決めた大谷翔平投手の話である。
彼が、メジャーへの直接進出を決意していたにも関わらず、一縷の可能性に賭けた日本ハムの首脳陣の口説きはすごかったらしい。
何しろテレビを観ない僕は、この経緯をあまり知らなかったんだ。
スカウトディレクターの大渕 隆氏が、大谷翔平君がアメリカ行と日本のプロ野球界入りの選択肢を冷静に判断できるように作った資料が大きな影響力を持ったとのこと。
その中の「急がば、回れ」という話に感じ入った。
少し長くなるが、ここでも、記事からの抜粋を・・・・。
びわ湖—–。
それは、あまりにも唐突なフレーズだった。
ファイターズのスカウトディレクター、大渕隆が作成した『大谷翔平君 夢への道しるべ』。26ページにわたって、日本スポーツにおける若年期海外進出の実態を考察した資料には、細かい数字や表が並んでいた。
その12ページ。
「びわ湖」と書かれた項目が現れる。大渕のフェイスブックから引用されたと思われるそのページには、曇り空の琵琶湖の写真と、大渕の友人からの琵琶湖に来ているというメッセージが記されていた。
『大谷選手の夢の確認』、『日本野球と韓国野球、メジャー挑戦の実態』と続く中、『日本スポーツにおける競技別海外進出傾向』に入る直前の『びわ湖』。あまりにも違和感のある呑気な1ページは、誰が見ても、大渕が誤ってプライベートな画面を挿入してしまったと思うに違いない。
ところが、である。
大渕の友人がその琵琶湖の写真にたまたま寄せていたコメントを読んでみて、驚いた。
「『急がば回れ』の由来です。『向こう岸に急いで行くなら、船で行かずに、陸地を遠回りして行きなさい』って。風で船が進まないから、歩いた方が早いって事だと」
『急がば回れ』という諺は、室町時代に詠まれた歌に由来している。東海道で京に向かう際には琵琶湖を渡る水路の方が、瀬田の橋を使う陸路よりも近い。しかし、比叡山から吹き下ろされる強風で船が遭難する危険があったため、急ぐならば遠回りの陸路を使え、と詠んだ蓮歌師がいたのだとか。
この資料の1章1項には、『大谷選手の夢の確認』が記され、大谷翔平が抱いているであろう3つの夢が明記されている。
①MLBトップの実力をつけたい
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。