読者の方のご質問にお応えします。 ビジネスマンにとってスーツの着方は基本中の基本ですが、なかなか常識がなにかは分かりにくいところがあります。
映画などで荒くれものの刑事などを演出するときなどダブルを前ボタンを外させて着せます。なぜか。
シングルよりもダブルで前を開けっ放しにした方が無作法、つまり危ない感じがするからです。
余談ですが、日本の男性でダブル・ブレステッドを着こなせる男性は少ないですね。それなりの肩幅、胸厚、背丈がないと逆に貧相に見えます。
昔の日活映画では悪徳政治家や一癖もフタ癖もある陰の企業家などに着せていたのがダブル・ブレステッド。あまりいいイメージではないのが残念です。
世界的にみてもダブルをステキに着こなしている人は少なく、すばらしく印象に残るのがアナン国連事務総長のダブル姿です。
肩にピタッとフィットしたダブル姿がとても品よく感じるのは彼ぐらいでしょう。
イタリアのベルルスコーニ首相もよく着用していますが、彼の場合やはり悪党の印象が強くでてしまいます。
ちなみに1980年代にフランスヤイタリアからかなりソフトタイプのダブルスーツが日本に入ってきました。
アルマーニの影響でしょうか。
肩からブラブラとぶら下がった印象です。気軽にダブルを着られるようにした歴史を塗り替えたともいえます。
フランスは4つボタン、イタリアは一般的英国スタイルの6つボタンが主流。
フランスと英国のファッションの競い合いがここにも現れています。
ちなみにシラク元大統領のダブルはいつも4つボタンでした。
私がコーディネイトをしていていつも思うこと。
背丈があまりなく、肩幅も小さく、胸厚も薄い日本の男性がもっとステキに見えるのはシングルの3ピースです。中にベストを着用するスーツのことです。
明治、大正時代の日本の男性の平均身長は160cmそこそこ。
それでもあれだけスーツ姿がステキに見えるのは、欧州から入ってきた3ピースでのおかげだと確信しています。
ぜひ一度トライしてみてください。
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2015.07.21
2015.07.22
株式会社パーソナルデザイン 代表取締役
「自分らしさをデザインする。」をコンセプトに、独自のパーソナルアイデンティティ分析を基に業界・業種・役職に合った「自分らしさ」をスタイリスト、ヘアデザイナー、ボイストレーナー、演出家ほか各種スペシャリストとともに演出をサポートしています。ビジネスパーソンのためのパーソナルプロデューサー、が肩書きです。