「聖夜」でなく「性夜」としてのクリスマス商戦

2012.12.01

経営・マネジメント

「聖夜」でなく「性夜」としてのクリスマス商戦

坂口 孝則
未来調達研究所株式会社 取締役

ブラックフライデーに入り、クリスマス商戦は本番を迎えた。アメリカと日本のクリスマス商戦を比較すると、恐るべき文化差異が見えてくる。

かつてオカモトの創業者である岡本巳之介氏はかつてゴム工場の見習い職人だった。大正十五年当時のコンドームは時間が経つと腐るもので、使用場所に配達する必要があった。氏は吉原の遊郭にコンドームを持参したときに「使えば、オソソ(陰部)が傷つく。使わなければ、梅毒で鼻がもげる。さてさて、どっちを選ぶべきか。ま、どっちを選んでも地獄だわねえ」と聞かされ、保管性・耐用性にすぐれたコンドーム開発を志した(「栄光なき挑戦者たち」西本頑司さん著)。
そこから幾星霜。コンドームは大衆化し、聖夜に欠かせない道具となった。

え、ところで何の話だったっけ? クリスマス商戦の話か。それで日本人は内向き志向が高まっているという話だった。ただ、家に引きこもっても、日本製の最高コンドームを享受できる意味では、日本人は幸せというべきか。

それに、無宗教国家である日本にとってみれば「聖夜」ではなく「性夜」としての意味しかもたないかもしれないわけだし。

幸せなクリスマスを。

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坂口 孝則

未来調達研究所株式会社 取締役

大阪大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。未来調達研究所株式会社取締役。コスト削減のコンサルタント。『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)など著書22作。

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