「従業員も経営者マインドを持つのが当然」なのか?

2012.11.16

組織・人材

「従業員も経営者マインドを持つのが当然」なのか?

酒井 一樹(就活SWOT代表)
株式会社エイリスト 代表取締役社長

「学生として就活している方はお断り」 「お金を貰うなら成果を出すプロになれ」 …こんな主張をする「新卒採用」サイトが話題になっています。 この記事を読んでいて 自分が過去に見てきた色んなベンチャー企業の事を思い出したので 「ベンチャーを見極める時のヒント」につながる記事を書きたいと思います。

人に対して求めていることなのに、経営者自身できていない事もあります。

※特定の一社について言っているわけではなく
 あくまで「色んなベンチャー経営者を見た上での一般論」として書いています。

自分が実際に見た事例でもあるのですが、
そういう会社は経営者が従業員からの信頼を失ったり、
ビジネスモデルを取り巻く外部環境がガラっと
変わったりしたタイミングで瓦解します。

もちろん優秀な人材を採用することも経営者の仕事の
1つであることは間違いありません。
経営者であれば
「社員に優秀であって欲しい」
「当事者意識を持って会社に貢献してほしい」
と思うのは当然です。

しかし一方で

「優秀な人材がいなくても業務が回るよう、戦略や仕組みを考える」
のも経営者の仕事です。

優秀な人材がいた方が良いのは確かですが、企業規模が拡大するにつれて
「優秀な人材だけで会社を構成する」のは難しくなっていくわけですから
その時に経営者の舵取りが下手であれば、会社の成長もそこで止まるわけです。
(これは自戒を込めて書いています)

どんなに優秀な人材を抱えていても、
向かう方向が間違っていれば会社は伸びません。

よくベンチャーで、
◎億円の壁が超えられない、
◎◎人から社員が増えて行かない、…という話を聞きますが
そういう時に、残念ながら原因を社員側に求める経営者もいます。

皮肉なことにそういう場面で
「みんな経営者マインドを持て!」と叫ぶ経営者に限って
社員との距離が遠かったりします。
(物理的な距離ではなくもちろん精神的な意味で)

…というよりも、

『社長と社員の距離が遠いからこそ、そのような言葉が出てくる』
と言うべきかもしれません。

そのような状況で、
社員に対して「経営者マインドを持て!それが当然だ!」と主張しても、
根本的な解決にはつながりません。

経営者マインドを持てるようにコミュニケーションを取ったり、
そういう仕組みを作るべきです。

(表面上だけの取り組みでは「自己満足」と言われる事もあるので
 ここが難しいのですが…)

【とりあえず総括】

最後に、この記事に関連して就活生に伝えておきたかったことをまとめます。

「社員であっても経営者マインドを持つべき」
という考えに、学生の時点で共感できるとすればそれはとても素晴らしいことです。

是非そのスタンスで仕事に臨み、高い成果を出してもらいたいと思います。

しかし、「経営者マインドを持て」と言っている
当の経営者本人があなたの成果に見合ったリターンを
もたらしてくれるとは限りません。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

酒井 一樹(就活SWOT代表)

酒井 一樹(就活SWOT代表)

株式会社エイリスト 代表取締役社長

株式会社エイリスト代表取締役/就活SWOT 代表

フォロー フォローして酒井 一樹(就活SWOT代表)の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。