インバウンド・マーケティング-ハンターからハーヴェスターへ

2012.10.31

営業・マーケティング

インバウンド・マーケティング-ハンターからハーヴェスターへ

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

「ad:tech tokyo 2012」@東京国際フォーラムにおいて行なわれた講演、 「インバウンドマーケティング~従来型デジタルマーケティング脳を切り替えるためのレッスン」(株式会社スケダチ 代表取締役 高広伯彦氏) を聴いてきました。 今回は、高広氏の講演内容に、私の考えも踏まえ、インバウンドマーケティングとは何かについてまとめました。(したがって、内容に対する文責はすべて私にあります)

の考え方と同じ。

この意味でも、インバウンドマーケティングが全く新しい方法ではないことがおわかりでしょう。

インバウンドマーケティングは、私に言わせると、

「検索エンジン、ソーシャルメディア時代のCRM」

と言い換えることができるのではないかと思っています。

なお、インバウンドマーケティングは、

「コンテンツマーケティング」

とアプローチが似ています。しかし、コンテンツマーケティングでは、必ずしも、見込み客を育成することが目的にはなっていません。

この点が、決定的な違いだと言えます。

高広氏は2012年9月、

株式会社マーケティングエンジン

を設立、インバウンドマーケティングに関するワンストップサービスの提供を開始しており、その実行環境として、

「Hubspot」

というツールを取り扱っています。

Hubspotは、

・SEO
・ブログ、ソーシャルメディア
・eメールオートメーション
・マーケティング統合分析

など、インバウンドマーケティングを統合的に実行できる機能を備えています。

消費者に役に立つ有益なコンテンツを提供し、そのコンテンツを見つけられやすくする。また、見込み客を育成するプロセスを効果的・効率的に実行するためには、多様なメディア・ツールの活用と施策検証のためのデータ分析を含む

PDCA(Plan-Do-Check-Action)

を統合的に行なわなければなりません。

Hubspotは、そうしたインバウンドマーケターのニーズに応えることができる優れたツールということで、高広氏は日本市場への導入を推進しているようです。

私自身、Hubspotはぜひとも使ってみたいと感じました。

高広氏は、講演の最後に、

「ハンターからハーヴェスターへ」(from Hunter to Harvester)

という言葉を示しました。

これは、従来のように、顧客を「狩る」ために狙い撃ちする(ターゲッティング)のではなく、有益なコンテンツという土壌を整備し、そこに見込み客の種をまき、時間をかけて丹念に育てるアプローチへと切り替えるべきということです。

私もこの主張には完全に同意します。
狩猟型、短期志向のマーケティングはもう通用しない時代だからです。

多くの企業が今後、

インバウンドマーケティング

へと舵を切ることは間違いないでしょうし、私もそうなることを望んでいます。

*株式会社マーケティングエンジン
 http://mktgengine.jp/

(参考文献)

『インバウンド・マーケティング』
(ブライアン・ハリガン、ダーメッシュ・シャア著、すばる舎)

『パーミション・マーケティング』
(セス・ゴーディン著、阪本啓一訳)

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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