マーケティング&営業戦略の基本は、「誰に」、「何を」、「どうやって」売るか、を決定することです。この基本的な考えに基づいて、法人営業を主としたビジネス展開する企業の売上拡大策を整理します。
■マーケティング施策の見直し 「誰に」
現在ターゲットとしている市場や顧客で売上拡大する期待値が無い場合、その市場や顧客を見直す必要があります。市場のないところにいくら生産性の高い営業活動をしても、売上は一向に伸びないからです。「誰に」の見直しです。
マーケティング用語で言うと、市場分析し、顧客ニーズに合わせたセグメンテーションを実施し、差別化できるポジショニングを選択してターゲティングをするといった作業を実施することになります。
セグメンテーションという言葉はよく使われ、さまざまな局面で登場します。本投稿でもこのあと登場する営業変革の主戦場である「どうやって」を検討する際にもセグメンテーションという言葉がでてきます。
それでは同じセグメンテーションでもどう違うのでしょうか。
前者の場合は、市場特性や顧客ニーズを基準としたセグメンテーションが主となります。そこから狙うべき市場や顧客を選択していきます。
一方後者、すなわち営業生産性の向上を検討する際のセグメンテーションとは、自社にとってその顧客がどう位置づけられるかによって分類します。平たく言うと、自社にとって大事な顧客なのか、営業コストをかけてもコミュニケーションをとるべき顧客かどうかを分類するためのセグメンテーションになります。
■マーケティング施策の見直し 「何を」
いくらターゲットされた市場の成長性が高く、あるいは他企業が狙っていない有望な市場や顧客を見つけ出したとしても、その市場や顧客のニーズにあった商品を提供できなければ、やはりいくら営業生産性を向上できたとしても売上拡大は期待できません。売り物がなければ売上拡大はできない、という当たり前の話です。
その場合は、「何を」を見直す必要があります。
こういった「誰に」、「何を」を再度見直しや確認することは、法人営業において、営業変革プロジェクトを起こす前に重要な作業となってきます。
このマーケティング戦略・施策の領域がはっきりしていない場合、いくら営業変革を推し進めて営業生産性の向上を図っても、効果が現れない場合があります。
携帯電話の普及時期に、ポケベル営業部を営業変革し、生産性の高い営業活動が可能にしたところで、売上拡大を実現できないということです。
■「どうやって」その① 営業活動の量の拡大
B to Bすなわち法人営業は顧客に対するダイレクトで、かつこちらからの能動的なコミュニケーションが必要です。これがB to C すなわちコンシューマビジネスとの違いです。コンシューマビジネスでもダイレクトマーケティングによる直接のコミュニケーションを重視しているビジネスもありますが、そのコミュニケーションの質は大きく違います。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.31
2015.07.10