「ad:tech tokyo 2012」@東京国際フォーラムにおいて行なわれた講演、 「インバウンドマーケティング~従来型デジタルマーケティング脳を切り替えるためのレッスン」(株式会社スケダチ 代表取締役 高広伯彦氏) を聴いてきました。 今回は、高広氏の講演内容に、私の考えも踏まえ、インバウンドマーケティングとは何かについてまとめました。(したがって、内容に対する文責はすべて私にあります)
企業は、ターゲットオーディエンスに対し、マス広告を通じて一方的にメッセージを送る
「アウトバウンドマーケティング」
だけでなく、
「消費者に役に立つ、喜ばれる情報」
をその道のプロとしての企業が、様々なメディア・ツール活用して公開し、またその情報を見つかりやすくしておく。そうすることで、消費者がその情報を必要としたときに
「見つけてもらう」
ようにすることが重要なのです。
このため、インバウンドマーケティングで最も重視されるツールは、
「ブログ」
なのだそうです。
ブログは更新が容易なため、最新の情報を手軽にアップできることに加えて、検索エンジンに引っかかりやすく、また、ソーシャルメディアなどでの共有もしやすいというメリットがあるからです。
高広氏は、
「ブログなくしてインバウンドマーケティングなし」
と言い切っていました。
さて、インバウンドマーケティングの場合、適切なコンテンツを提供する目的が
目先の販売(売上)
にだけ向いているのではないことに、留意する必要があります。
近年のマーケティング、特にネットマーケティングでは
ターゲットの絞込み(ターゲティング)
が技術的に容易になったため、すぐに購入しそうな
「熱い見込み客」(hot prospect)
にばかり注力する傾向が強まっています。
一方で、ある製品・サービスにちょっと関心を持っただけ、あるいは情報収集をしているだけの
「ぬるい見込み客」(warm prospect)
を実質的に切り捨てています。
というか、むしろ、
「ぬるい見込み客」
にまで強引に、今すぐの購入を勧めるコミュニケーションをやってしまい、そっぽを向かれることも起きています。
インバウンドマーケティングでは、ぬるい見込み客も含め、検索エンジンでの検索結果や、フェイスブック・ツイッターなどで目に留まった他者の投稿を通じて、まず自社が提供する
「お役に立てるコンテンツ」
に触れてもらうことを目指します。
そして、さらに価値の高い
「プレミアムコンテンツ」
を提供することで、
見込み客のコンタクト情報(メールアドレス等)
を収集する。
その後は、e-newsletter(メルマガ)などを活用しながら、見込み客との良好な関係を形成していきます。また、既存客をリピーター、ロイヤル顧客へと育成していくのです。
実は、こうした見込み客からロイヤル顧客への育成を目的とするアプローチは、
「CRM」(Customer Relationship Management)
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2015.07.17
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。