仕事とは、「能力×思い→表現」である。私が行っている中学生向けキャリア教育の授業には、十分大人になって働いている皆さんにとっても、いまだ有効な気づきを与えてくれると思います。では、10枚のスライド講義をはじめましょう。
きょうは、私が中学生向けに行っているキャリア教育プログラム『“働くってなんだろう!?”を考える授業~僕らは能力の貯蔵庫だ!』の一部を、あえて社会人(あるいは大学生)のみなさんにお届けします。
「働くということ・仕事・職業」に関わる意識をどうつくっていくかは、年齢に関係なく人生の大きな課題です。そしてまた、自分が中学生であっても、大学生であっても、あるいは20代のサラリーマンであろうが、40代の自営業であろうが、本質的に重要なことは変わりません。
以下に紹介する中学生向けの授業のスライドには、十分大人になって働いているみなさんにとっても、いまだ有効な気づきを与えてくれると思います。よりよく働くとはどういうことか、自律的なキャリア形成とはどういうことを考え、行動をしなおすことに、歳をとりすぎたということはないのです。では、10枚のスライド授業をはじめましょう。
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◆「能力」とは自分の中に貯まっていく“資産”である
みなさんは1人1人、生まれてからこれまでに、すでにいろいろな能力・才能を育んできました。たとえば……
・サッカーがうまい
・人を笑わせられる
・動物と会話できる
・絵を描かせたらピカイチ!
・パソコンにくわしい
・手先が器用
・リーダーシップ がある
・計算がはやい
・人の悩みをきいてあげられる
・料理ができる
・宇宙のことをよく知っている
・作文には自信がある
・友だちづくりが上手
・英語検定で2級を取った
これら「能力」に含まれるものを簡単に分類すると、次のようになります。
「知識」は、知っていること。「技術」は、身体を使ってできること。「資格」は、知識や技術があることを試験によって証明するもので、免許のようなものです。中学校をきちんと卒業して修了証をもらうと、学位という資格が得られます。
「人とのつながり」は、友だちをつくる力。何か事を成そうとしたときに、一緒にやってくる仲間、自分を助けてくれる人、味方になってくれる人があちこちにいる、それらを人脈といいます。
「強み・得意なこと」は、たとえば、几帳面である、社交的である、人を引っ張っていける、集中力がある、のんきであるなど、性格的なことも能力の一部になります。
このように能力というのは、学校で習う科目以外のことも含まれます。そして、学校の成績のよしあしが能力のあるなしに関係するともかぎりません。能力は、目には見えませんが、自分のなかに貯蔵されていく大事な「資産・たからもの」です。
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【中学生向け「働くって何だろう?」の授業をあなたに】
2013.07.17
2012.08.01
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。