11月14日の日経MJに「激動ドラッグストア」という記事がトップに掲載されていた。2009年に予定されている改正薬事法の施行によって、業界はビジネスモデルの再構築を迫られているという。もう一方で、「ビジネスドメインの変化」という視点で見るとさらに興味深いことがわかってくる。
ドメインによって大きく異なるのは、競合環境と、そのドメイン内での戦い方である。
日経MJの記事は「物販だけのビジネスモデルは限界に近づいている」と締めくくられている。物販でないビジネスモデル?と些か唐突な結論と、見えない解答に頭をひねりながら紙面をめくっていくと、5面の小さな囲み記事「消費見所・カン所」に答えがあった。
寺島薬局社長のインタビューで「地域に信頼される“介護×ドラッグ”推進」とある。曰く「ドラッグストアは米国型であるが、少子高齢化の今日の日本では、人口が増え続ける米国のドラッグストアを参考にしても成長は難しい」と語っている。そして、同社の地盤である茨城県では高齢化のスピードが速いため介護サービスとドラッグストアを融合した独自の「てらしまモデル」を追求しているという。
進展の早さに差異はあっても、日本が高齢化に向かっていることは間違いない。「てらしまモデル」は一つの秀逸な答えであり、ドラッグストア業界が2009年の法改正後に生き残るための新たなドメインを示していると言えよう。
「変化し続けなくては生き残れない」。これは全産業、全ての企業において共通の事実だ。その変化すべき姿を明確にするためにも、「今、自分たちはどこで、誰と戦っているのか。今後はどうなるのか」を意識する「ドメイン」を考え続けることが重要なのである。
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2008.02.20
2008.06.06
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。