博多発祥、とんこつラーメンの 「一蘭」 はご存知でしょうか? 首都圏には10店舗ほど展開してますが、 まだ知る人ぞ知るという存在でしょう。
私は、事務所に近い、
東京ドームシティ・ラクーア店にたまに行きます。
先日も午後4時ごろ、
仕事のついでに立ち寄りましたが、
店内は満席でした。
おおむねどの時間帯にいっても混んでます。
さて、わたしが「一蘭」をご紹介するのは、
店舗の構造や仕組みが極めてユニークだからです。
こだわりかたが、半端ではありません。
おそらく、創業者はよほどの変人、
いや天才かなと・・・
このユニークな仕組みは、
「味集中システム」
と命名され、特許出願済みです。
(出願番号:特願2003-289989)
席はすべてカウンターのみ。
1席づつ、両脇がパーティション(仕切り壁)で
仕切られているブーススタイルです。
また、正面は、赤いのれんで半分隠されているため、
店員の顔は見えません。彼らの前掛けのおなか部分が
かろうじて見えるだけです。
入り口の自販機で食券を買い、店内に入ったら、
席の埋まり具合を教えてくれる表示板を見ます。
「空」の表示があれば、そのブースに行き、
紙のオーダーシートにスープの味や麺の硬さを記入。
呼釦を押して店員を呼びます。
そして正面に30センチほど開いたすきまから、
顔の見えない店員に、食券とオーダーシートを渡す。
およそ1-2分でラーメンが出てくると、
前のわずかなすきまにも「すだれ」が下ろされ、
ほぼ完全に自分だけの空間になります。
おかげで、食べている間はひたすら
「味」
に集中できるというわけです。
替え玉の注文は、箸袋が追加注文シートを
兼ねているのでそれに記入して呼釦を押せばOK。
誰が追加注文したかは、ほかの客にはわかりません。
ですから、女性の方でも気兼ねなく、
何玉でもおかわりできますよ!
というわけで、確かに「味集中システム」は、
「味」に集中できるようにと、あらゆる工夫が施された
「完成されたシステム」
です。
しかし、ラーメンを食べている自分が、まるで
「食欲マシーン」
になったような気分になることがあります・・・
店頭には、混雑時でも、
「40秒にお一人の割合で、
ご案内できるようになっています」
といった表示があります。
つまり、「客」自身もこのシステムの一部となり、
流れ作業的にラーメンが作られ、供され、食されている
というわけです。実に効率的なシステム。
また、前述したように、
ブーススタイルのカウンターしかありませんので、
家族だろうがカップルだろうが、それぞれ別のブースに
分かれて入ることになります。
したがって、
店内ではほとんど会話する気が起きません。
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2007.11.19
2007.11.23
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。