キャリア教育とその指導者の資質。名選手が名監督ならず

2011.08.10

ライフ・ソーシャル

キャリア教育とその指導者の資質。名選手が名監督ならず

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

プロスポーツで、名選手が名監督になるのは、スタープレーヤーで、なおかつV9監督の川上氏等が例外であり、標準とはいえません。名選手になるトレーニングや鍛錬は、名指導者になるためのそれとは別物だからです。 教育に携わる者も似ています。この違いを考えてみましょう。

さらにはビジネスセンスは重要なマターになります。非現実的な夢追いや、一定の能力がなければ達成できないキャリアについて、しっかりと現実感を検証させることで、結果として地に足のついたキャリア選択が実現できます。これまで何千人もの新卒大学生・院生や社会人のキャリアカウンセリング、キャリア指導をして参りました。
私が提供できるものは情報ではなく、情報の受け方・見方だと考え、それを教えるツールとして現実の求人情報やキャリアモデルを使用しています。

(学校の)先生方がキャリアの専門家である必要は全くありません。むしろ先生は教えるプロです。それぞれの学校が置かれているポジショニング、お客さん(生徒・受講者)のポジショニング、そうしたマーケッタビリティを冷静に把握しなければ、夢や一般論に終止する、一番効果が無く、そしてつまらない、「ウケない」キャリア教育が出来上がります。

そうなのです。マーケティングメソッド、マーケティング理論は、「市場価値」によって支配されるキャリアの世界との相性が非常に高いのです。キャリア心理学発祥のキャリア教育にかけている一番の部分はこのマーケティングセンスだと感じます。
ぜひ視点を今一度見直して、教育に臨んでいただきたいと思います。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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