「ネット・オークション」のパイオニアであり、ネット通販初期のアメリカで一世を風靡しながら、近年アマゾンに押され気味のイーベイ。「SO・LO・MO(ソロモ)」をキーワードに巻き返しを図る・・・!
また、昨今では、便宜性より何より、iPadを筆頭とするタブレットPCのヴィヴィッドなビジュアルや音にこだわったアプリが登場し生活者を魅了している。ラルフ・ローレンのスポーツ・ウェア・ブランド「ラルフローレンRLX」のiPadアプリは、ファッション・ブランドの中でも群を抜いたクリエイティビティで、「ラルフ・ローレン」という「クラシカル」なブランドに新しい生命を吹き込み、生活者を振り向かせることに成功した(勿論、デザイン性に優れたアプリを作れば売れるというわけではなく、前提条件としてモノやサービスが優れていることは言うまでもない)。
SO・LO・MOは今日の生活者のライフスタイルを象徴する重要なキーワードだが、企業が新しい売り方を考える上で着目すべき傾向は他にもたくさんある。2000年前後に、ネット上で売り手と買い手の出会いの場を創造する役割として「マーケット・メーカー(市場の創造者)」という言葉が登場したが、これからの流通業は、生活者のライフスタイルの変化や、そこから生まれる要求を絶えずウォッチして、それに応える術を供給側に提供していく「マーケット・メーカー」であらねばならない。今回、イーベイの事例を通して改めて確信を新たにした。
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2011.10.07
2011.12.23
ダイナ・サーチ、インク 代表
ダイナ・サーチ、インク代表 https://www.dyna-search.com/jp/ 一般社団法人コア・バリュー経営協会理事 https://www.corevalue.or.jp/ 南カリフォルニア大学オペレーション・リサーチ学科修士課程修了。米国企業で経験を積んだのち、1982年に日米間のビジネス・コンサルティング会社、ダイナ・サーチ(Dyna-Search, Inc.)をカリフォルニア州ロサンゼルスに設立。米優良企業の研究を通し、日本企業の革新を支援してきた。アメリカのネット通販会社ザッポスや、規模ではなく偉大さを追求する中小企業群スモール・ジャイアンツなどの研究を踏まえ、生活者主体の時代に対応する経営革新手法として「コア・バリュー経営」を提唱。2009年以来、社員も顧客もハッピーで、生産性の高い会社を目指す志の高い経営者を対象に、コンサルティング・執筆・講演・リーダーシップ教育活動を精力的に行っている。主な著書に、『コア・バリュー・リーダーシップ』(PHPエディターズ・グループ)、『アメリカで「小さいのに偉大だ!」といわれる企業のシンプルで強い戦略』(PHP研究所)、『ザッポスの奇跡 改訂版 ~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略~』(廣済堂出版)、『未来企業は共に夢を見る ―コア・バリュー経営―』(東京図書出版)などがある。