IT系の仕事につきものの、システム障害などのトラブル対応。ソフトウェアの販売とサポートを生業とするアシストにおいても例外ではない。顧客企業に満足してもらえるようなトラブル対応処理を、迅速かつ適切に行うことができれば、問題の解決以上の効果をもたらすこともある。災い転じて福となる。つまりそれによって顧客から信頼を勝ち得ることができた場合だ。
もちろんトラブル処理の出番がないに越したことはない。しかしもし起きてしまったら、ピンチをチャンスに変えるべく前向きに対応にあたる、そんなトラブル処理を率先して請け負う営業マンの一人、それがアシスト 東日本第2支社の佐藤栄樹だ。
「別に率先して請け負っているわけではないです。自チームの子たちのフォローをしてその結果として請け負ってしまっているというパターンは多いですが(苦笑)」
東日本第2支社は首都圏を担当し、佐藤が所属する営業1部は14人で、そのうち佐藤のチームには2人の営業マンがいる。
昨年2月、SIerを通じてアシストがソフトウェア製品を提供している某ユーザ企業のシステム構築で、製品不具合が重なりプロジェクトが遅延するという問題が生じた。たまたまバグが致命的なところに出てしまい、製品の品質からは考えられないくらいシステムに影響を及ぼした。その結果ユーザは、製品だけでなくアシストの対応そのものにまで不信感を募らせてしまったという。
「夜8時頃、突然SIerからかかってきた1本の電話から始まりました。たまたま担当営業が不在にしていたため、代わりに電話対応をすると、“すぐになんとかしろ!”という怒りの声。これまでにも不具合が幾つか出ていて、システム構築に影響が出ていたところに致命的なバグ。昼夜を徹してでも解決に向けて何とかしろ、という内容のものでした。お怒りになるのは当然です。そんな状態になるまでプロジェクトを把握できていなかったのは、マネジメントの問題ですから」。こうして佐藤は、トラブル請負人として即座にこのプロジェクトに関わることとなる。
「お客様からは、バグの対応について夜中を含め1時間置きに進捗の報告をすることを求められました。すぐにプロジェクト・チームで報告の体制を整え、昼夜を徹して報告を続けました。あわせて、お客様の状況を含めて全体を俯瞰するために、深い技術的な内容以外の連絡や調整は営業サイドから行うようにしました」
まず佐藤が行ったのは、トラブルに場当たり的な対応をするのではなく、全体的な提案や対策を事前に練ることができるような体制を整え、プロジェクト・メンバー全員が今何が起きているのかをしっかり共有できるようにすることだった。しかし状況は厳しかった。
「1つの問題が収まるとまた次の問題、収まるとまた不具合、と考えられない位の問題が発生しました。それでも、プロジェクト・メンバーはその都度、事象が起きる度に昼夜を徹して1時間置きの報告を含めた対応を続けてくれたのです」
プロジェクト・メンバーはフィールドSEとサポートセンター担当者の3人。不眠不休で、それこそ昼も夜もない状況の中で対応にあたった。
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