【続】プロジェクト・マネジメントの原点

2007.10.22

経営・マネジメント

【続】プロジェクト・マネジメントの原点

猪熊 篤史

池袋ビジネススクールにおけるビジネス&バー(10月のテーマ:オペレーションを改善する!)を終えて、3つのプロジェクト・マネジメントの原点について改めて考えてみたいと思います。

 第2の要素(プロセスを事前に描く)との関連では、事前に予期できる無理、無駄、斑には前もって対処する必要があります。組織のメンバーがゼロから試行錯誤によって1つの製品を作り上げることやプロジェクトを完成させることは大きな達成感や満足を生むことがあります。しかし、自己満足で終わってしまっては残念です。客観的な視点が欠かせません。競合他社に対して有利なのか、付加価値が高いものなのかを見極めなければなりません。全てを直接的な経験や試行錯誤によって学ぶのは非効率です。過去の経験やノウハウは出来るだけ有効に活用したいものです。プロセスを事前に描いて、ものごとをある程度効率的に進めていくことが重要です。

 しかし、効率主義には限界があります。技術革新や社会環境の変化によって過去の経験則やノウハウが必ずしも有効だとは限りません。また、ちょっとした事故などは避けられないものです。偶然を受け入れることや偶然を活かすことは大切です。研究開発活動などによって、過去の経験則にとらわれない新しい方法などを見つけ出す活動も大切です。

 社員の時間の2割程度は創造的な活動に必ず費やさなければならないという社内規則を設けている企業もあります。プロジェクト・マネジメントの第3の要因である予期しない出来事に適切に対処するとともに、意識的に過去の経験則では考えらないものごとを見出し、対応する活動も大切です。それは組織における継続的な学習であって、常に適切なリスクをとるということでもあります。

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