「本を出すには、どうしたらいいんですか?」 という質問をいただくことが良くあります。 私も2冊目の著書を出したばかりですから、自信をもって「こうすれば出版できる!」と答えられるレベルではないというのですが、それでも、苦労をした分だけなにがしかの参考にしていただけるかと思い、経験を共有させていただきます。
最近やたらと「もし女子高生が○○を読んだら」みたいな本をよく見るのは、気のせいではないでしょう。編集者の方も人の子ですから、売れる本にしたいと思うのは当然でしょうし。
ただ、版元各社の「エース級」と呼ばれる編集者の人がいて、私もツイッターなどで5人ぐらいは常にウォッチしているのですが、彼らは独自の方法論を持っていて、人マネはあまりしないような気がしますね。
さて、次のステップ、「編集者と折衝」ですが、ここで大事なのは、とにかくたくさんの編集者の方に会うことだと思います。そのココロは、「相性」があるから。
今回の私の著書、「ほんとうに使える論理思考の技術」も、最初に話をしてから上梓までは1年半ほどかかりました。その間、二人三脚で本を作っていくわけですから、相性が合わない編集者の人に当たってしまうと、苦痛以外の何者でもありません。
しかも、本という商材は、究極の「見込生産」なため、読みを誤ると「あんだけ苦労して書いたのに、売れないじゃないか」となってしまいます。
この「読み」は、たぶん編集者だけでも無理で、もちろん著者だけでは不可能で、二人の「異見」のぶつかり合いによって生まれるものだと思うのです。
これを可能ならしめるには、いろんな意味での相性の良さが必要です。たぶん、コミュニケーション・スタイルがあわないのはダメ。かといって、あまりにも似たような人と組んでも発想が広がらないからダメ。敬意を持ちつつも、言いたいことを言い合える関係がいいと、個人的には思っています。
今回は、担当編集者のN村さんという、ビジュアルで考えるのが得意で、文章をバッサリ切るという「Sっ気」がある人を得て、執筆の作業自体も楽しく進めることができました。自分の書いた文章を斬られる快感に目覚めたのは、私にとっても新たな体験です。
と、相性が良い編集者に巡り会って、企画を詰めて、あとは出版社の社内企画会議を通れば、いよいよゴーサインです。もちろん、企画を出したけれども社内の会議を通らなかった、という残念な結果になることもありますが、それはある意味しかたのないことなので、その企画を寝かせてまたのチャンスを待てばよいかと思います。
ちなみに、私自身の企画書の「勝率」、すなわち、企画書を出して出版に結びついた確率は、2勝3敗1引き分け、ぐらい。
もちろん企画自体の良し悪しもありますが、時代の流れにマッチしているかどうかもあるので、あまり一つの企画にこだわらない方が良いのではないでしょうか(これには異論があるかな)。
出版のゴーサインが出たら、改めて企画の再構成にはいるわけですが、ここで考えるのは、「いかに売れる本にするか」です。これは、先ほども紹介した「エース級」編集者のインタビュー記事などを読んで考察しました。
まだ人に発表するほどまとまっていませんが、「お得感を演出するV字回復の法則」とか、「あるある感をつくる6:3:1の法則」とかにまとめられるとの仮説を持っています。
今後、本のプロモーションを通して分かったことともに、機会があればまた共有させていただきますが、とりあえず本稿は、いったん終了と致します。
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