お酒について言えば、昨年(2010年)は「ハイボール(ウイスキー)」の年でしたね。
しかし、ハイボールは、炭酸で割ることによって、飲みにくさを解消し、ビールや酎ハイと同様、食事しながらゴクゴク飲めるお酒になりました。また、ハイボール自体は昔からあったものの、近年は「忘れられた存在」だったことが幸いし、おじんくさいというイメージをひきずらなかった。しかも、炭酸で割ることでジョッキ一杯当たりの値段が酎ハイなみに安くなることも幸いしました。
ただ、忘れてはいけないのは、今回のハイボールブームの仕掛け人、サントリーでは、「ハイボール」という若年層にとって新しい飲み方を提案するだけでなく、流通対策、すなわち、ハイボールの扱い店を増やすという地道なことも並行してやった点です。
つまり、ハイボールという商品開発だけでなく、価格、プロモーション、流通をも含む、マーケティング全方位的な取り組みを行なったのです。このことが、これまでウイスキーを飲まなかった若年層を中心とする大衆の心を掴み、全国的なハイボール人気の獲得に成功したといえます。
日本酒は、このハイボールの成功事例に大いに学ばなければならないと思います。端的に言えば、日本酒も以下のような方向性でマーケティングに取り組むべきということになるでしょう。
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・日本酒を飲まないマス(大衆)層を狙うこと
・ビールと同じ程度のアルコール度数低め(5-7%)で飲みやすいこと
・食中酒として食事に合うこと
・おじんくさいイメージを払拭すること
・グラス一杯当たり、酎ハイ並みの安さであること
・居酒屋等での取り扱いを増やすこと
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上記に対する商品面での解決策が「日本酒ハイボール」かどうかはわかりません。というか、いきなりそうした短絡的な解決策に飛びつくべきではないでしょう。根本のところから、ゼロベースで考えたほうが良いと思います。ただ、日本酒復権のための基本的な枠組みは、どうやら「ブルーオーシャン戦略」が使えそうですよ。
日本酒大好きな私(おじんですが)にとっては、近い将来、本格的な日本酒ブームが巻き起こることを切に願っています。
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2011.09.16
2012.10.26
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。