仕事は答えが決まっている学校の勉強とは違います。自分で新たな正解を生み出す挑戦心を持つことが必要なのです。
■□■ ビジネスの答えは一つじゃない ■□■
学校では、授業があって期末テストがあり、正解を当てることを目指して勉強していました。
答えが決まっていて、それを当てることが勉強の目的という、ある意味では非常に分かりやすい世界で生きていました。
どんなに独自性があり、ユニークで将来に可能性を感じさせる答えであっても、正解に合致しなければ0点です。
選択式は言うに及ばず、記述式であっても、正解との合致度合いが採点の基準であり、ことごとく正解はひとつである教育がなされたように思います。
知識を覚えることについてはいいのですが、こと「考えること」については、当時も工夫の余地がありましたし、現在でもあまり大きくは改善されていないように思います。
ビジネスの世界になると、この点は大きく弊害になりますね。
「正解を当てる姿勢」は、邪魔でしかありません。
ビジネスの課題への答えは決して一つではありません。正解もありません。
言い方を変えれば、状況によっては選択肢のどれでも正解になりうるし、どれも不正解の場合もある。
選択肢が用意されていること自体が稀で、自分で導き出すしかありません。
しかも課題に立ち向かう時に、平等に、時間を区切ってテストをしてくれるようなことはなく、多くの場合は早い者勝ちの世界です。
学校の勉強では、正解が一つで、正解はもう決まっていて変えられないものですが、ビジネスの課題は、いったん正解とされたことでも、柔軟に変えていくことができますし、むしろ変えていかないといい仕事はできない世界です。
■□■ 既決感を打ち破る ■□■
答えが決まっていて変えられないことを「既決感」と言います。
エネルギーのない人には、色々なことに「既決感」を持ってしまっている傾向がある。
いろんなアイデアに「できない理由を先に考えてしまう」という人がこれにあたります。
「既決感」は学校型の思考回路。
教育の弊害と言っても言い過ぎではないと私は思います(関係者から怒られそうですね)。
「既決感」満載の学校型の思考回路から脱却していかなくては、仕事のできる人になれません。
■□■ 自分の頭で徹底的に考える ■□■
仕事の基本的なやり方、「型」を覚える時には、目一杯の素直さで、超高速で吸収すべきなのですが、こと「考える」という局面では、徹底的に「自分で考える」ということをしなければ、考える力は退化していきます。
若い皆さんであれば、今ならまだ間に合います。
誰かが用意した「正解を当てる」姿勢ではなく、正解とされていることさえも疑い、本来の目的の達成のためにはどうすべきかを、自分の頭で考えて、「新たなる正解を生み出していくぞ」という挑戦心がこれからは必要です。
そのためには、「そういうチャンスが来たらそうするぞ」ということでなく、日頃から常に「自分らしい答えを出そう」という、考える姿勢でいることはとても重要なことです。
使わないでいると衰えていき、最後には取り戻せなくなることを「退化」と言いますが、これは本当に怖い現象だと思います。
こういうやり取りをしたことがあります。
「自立するにはどうしたらいいでしょうか?」
「そういう質問をしているから自立できないのさ」
株式会社マングローブ
今野 誠一
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2008.09.26
今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。