「隙間を埋める」、ソフトウェア・パッケージ屋の役割

2011.01.06

開発秘話

「隙間を埋める」、ソフトウェア・パッケージ屋の役割

根井 和美

 ソフトウェア・パッケージ屋のアシストで、オリジナル・ブランド商品、「監査れポータル」を商品化した西日本支社 重松に、どうやってオリジナル商品を生み出したのか、そのプロセスについて聞いた。

 そんな中、アシストの内部統制対応商品、「監査れポータル」の商品開発を担当したのは、西日本支社技術統括 ソリューション技術部の重松俊夫。「監査れポータル」の名づけ親でもある取締役(現、常務)の大塚の鶴の一声で商品化プロセスがスタートしたと当時を振り返る。

 「J-SOX、きっと何かビジネスにつながるはずだ、重松、おまえ考えろ・・・」(大塚)

■商品化プロセス

   「監査れポータル」。こう書くと、誤植ではないかと思われるかもしれないが、れっきとした正式名称だ。「れ」は平仮名で正しい。商品のコンセプトである、「監査」、「レポート」、「ポータル」、3つの言葉を組み合わせて命名された。

 重松に、「監査れポータル」の商品化プロセスについて話を聞いた。

 まずは、顧客企業の法対応を支援するために、内部統制とは何かの勉強から開始。内部統制の中の、IT全般統制に必要な機能を洗い出していった。しかし世の中全体が暗中模索の状態であり、重松1人で必要な機能がうまく整理できるはずもなかった。

 そこでどうしたか。内部統制に詳しいであろう、監査法人や、米国で上場している等の理由から、この分野での取り組みに先進的と思われる顧客に、内部統制の実際の対応内容や何に困っているかをヒアリングした。

 そこで挙がった要点は、以下のようなもの。

 (1) 内部統制対応で肝となるのは、会社の統制ルールを決め、そのルール通りにやっていることを「社長」が証明しなければならない、ということ。給与情報など、例えば特定の情報にアクセスできる人が制限されているとすれば、そうした特権者の申請管理と、その特権者だけにアクセスが制限されている実態を証明する必要がある。

 (2) その証明のためには、利用者のアクセス権限やそれに基づいた行動を記録(ログの取得)してチェックしなければいけない、ということ。

 (3) しかし、具体的にどのようなログを取得して、どうチェックすれば良いか、その結果をどうまとめればよいかのガイドラインが存在せず、各社悩んでいる、ということ。

 重松は、このようなヒアリング結果をもとに、専門家の監修のもと、上記についてお客様を導く仕組みを、アシストのオリジナル・ブランドとして商品化することにした。都合の良いことに、「ログ取得」や「ログ管理」という分野については、取扱製品も多数揃っており、アシストが得意とする分野だった。ただし、ツールを導入するだけでは、上記の要件は満たせない。

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