企業向けソフトウェアの販売サポートを提供する株式会社アシストには「ソリューション研究会」と呼ばれるユーザ会がある。アシストのユーザ企業なら誰でも無料で参加可能な研究会だ。その中心的な活動の「分科会」で、年に一度優れた研究に賞が授与される。4年連続「全国最優秀賞」を受賞したスゴイ人がいる。関西電力株式会社の上田晃穂氏だ。上田氏にユーザ会のような、社外の異業種交流でいかに自己研鑽を行っているかを聞いた
■「お手本」と評価されて
活動報告書は、お客様代表のソリューション研究会の幹事によって審査されるが、審査員もこの報告書を以下のように絶賛している。
「この難しいテーマを、よくここまで深堀して検討したものだと感心する。内容の充実度、深さ、ロジックなど、すべての点で素晴らしい。社会心理学の視点も組み込んだ、素晴らしい内容になっている。仮想モデル会社を例示しながら説明していく手法も、とてもわかりやすい。参考文献のボリュームを見ても、内容の深さがわかるほどだ」
経営者、ユーザ部門、IT部門のそれぞれの立場から見た「情報共有の問題点」、バランススコアカードの概念を活用した「情報共有は、企業活動の礎」、変革活動の基本「7つのステップ」。成果物である様々な図表は、十分に工夫を凝らした分科会のオリジナルであり、大変わかりやすくできている。
ゆえにこの活動報告書は、全国最優秀賞を獲った「活動報告書のお手本」として、今だに西日本分科会メンバーにダウンロードし続けられている(残念ながら、「活動報告書」のダウンロードには、アシスト ソリューション研究会会員登録が必須)。
■ソリューション研究会 参加のきっかけと醍醐味
入社以来ずっとIT畑を歩んできたという上田氏だが、自社がアシストから「Oracle」(データベース)や「WebFOCUS」(開発支援ツール)等を購入していたことは知っていたものの、自身がツール購入担当になった際は、特に意識してアシスト製品は購入されなかった。ただ、ソリューション研究会の存在は知っていた。
アシストの「分科会発表会」を最初に受講したのは2005年度で、プロジェクトマネジメントを研究した分科会の「成功するA様、失敗するB様」の発表が印象的だったという。研究発表の内容が予想していたよりもずっと深堀りできていて参考になったので、翌2006年分科会メンバー募集時、ちょうど自身の業務に直結するテーマを研究する分科会があるのを知って、入会を決めたと言う。
上田氏が、分科会に常に期待しているのは、研鑽と交流。希望するテーマを一年間かけ、自分なりに深く勉強し、いろんな考え方と交流し、その発想の根拠をぶつけあい、ストーリーを考えながら意見を1つにまとめあげる作業に取り組む。結果、人の輪も考え方も広がる。その一つ一つの繰り返しと、達成感がなんとも言えない魅力なのだと言う。
「自分では意識してなくても、同じ会社内にずっといると、どうしても自分の考え方が会社のカラーに染まり、ある一定パターンの仕事のやり方が当たり前になる。自分でも気づかないうちに自分が固まってきてしまう。それを壊そうとしたら、視点を変え、視野を広げるために、全く違う考え方の人と話をしたり、本を読んだりする刺激が必要なのだ」。
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