企業向けソフトウェア販売/サポートの老舗、アシストが、苦労の末、主力商品サービス、DODAI(ドダイ)を自社開発した。その開発ストーリーから、商品サービス開発の要諦を探る。
「DODAIという名称は、日本語の土台から。コンピュータ・システムの基盤である、データの容れ物は、たとえるなら家の基礎や“土台”にあたるもの。この商品の名前にぴったりだと思った」
■新商材の必要性
アシストがDODAIを商品化した理由は以下の3つ。
1. 無駄を削るアプライアンス的発想
2. 適材適所とサービスインの早期化
3. 属人化の排除
それぞれ説明しよう。
■無駄を削るアプライアンス的発想
岸和田は、10年以上にわたりOracleに携わっていたが、その間、お客様を含め、関係者が行っているプロセスは全く同じ。要するに、アシストの営業マンがOracle案件を獲得すると、その度に技術者も同行して、お客様の要望を伺い、細かな仕様を盛り込んだ「システム設計書」を作り上げることになる。その設計書が完成するまで、幾度となく打ち合わせが繰り返される。
そこで岸和田は、これらのプロセスをアシストがあらかじめ準備して提供すれば、お客様の負担を大幅に軽減できて喜んでいただけるのではないか、それに自分たちも楽になると考えた。
「お客様がデータベースやハードウェアなどの『土台』構築に付き合っている時間は、一般の人が家の基礎工事の詳細部分まで、いちいちどれがいいですかと聞かれて指定しなければならないような状況。あらかじめアシストが詳細設計を考え、きちんと動くかの検証も事前に実施してあげることで、お客様の無駄な時間を省きましょう。家の基礎工事には専門家がいるのと同じように、土台部分は私たち専門家にお任せください、というもの」。つまりデータベースとハードウェアの組み合わせをあらかじめ最適化し、お客様目線でのアプライアンス性の確保というのがDODAIという新商品サービスの発案にいたった経緯だという。
■適材適所とサービスイン早期化
また、お客様との間に、システム・インテグレーター(SIer)が入って詳細設計を確定させ、その後に、アシストにOracleの発注が来る場合がある。その場合、そのSIerが決めてきた仕様通りに、Oracleを入れてみると、Oracleには適していないハードウェア構成のケースも多かったという。しかしその段階では、どうすることもできない。
そこで岸和田は、アシストが案件に関わる段階をハードウェアやソフトウェア構成を検討する段階にしたいと考えた。ハードウェアも含め、Oracleに関することはアシストに任せて欲しい、「適材適所」あるいは「餅は餅屋」ということで、これもDODAIの商品化につながった理由だ。もちろんこの裏には、Oracleと決まった後で声がかかるのであれば、文字通り、何百社とあるOracle販社との競合になるため、できるだけ早い段階で案件に食い込み、他の販社との競争を避けたいという思いがあったのは言うまでもない。
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株式会社アシスト
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