「わからないことはお客様に聞け」と言われたり、思ったりしたことはありませんか?お客様に聞いて学んでよいのは、「お客様の理想像」と「苦情とご指摘」であり、それ以外は単なる甘え。お客様のことを調べるだけでなく、もう一歩進んだ情報収集をしてから接触する必要があります。
「それでなくても忙しくて時間がないのに、そんなことやっていられない」という声が聞こえてきそうです。
しかし、思ったほど時間のかかることではないですし、時間をかけた分だけ大きな学びを得ることができ、後々の役に立つことなのです。
・お客様の企業の属する業界の本を一冊でもいいから読む(できれば三冊)。
・お客様のホームページだけではなく、競合会社のホームページも確認してその違いを理解する。
いい仕事というものは、いつもお客様との対話から生まれるものだと思います。
会話が成り立たなくては、いいものは生まれません。
「イノベーションは顧客との対話から生まれる」という言葉があります。
仕事の改善改革、新しいパラダイムに基づいた商品や事業などは、すべからくお客様との対話から生まれるということです。
お客様の業界の予備知識を持ち、ライバルの存在を知っている状態で初めて対話の土壌ができると思います。
■□■ 理想像を知る ■□■
「わからないことはお客様に聞け」という態度では駄目だという話を上で書きましたが、お客様に積極的に聞かなくてはいけないのは「理想像」です。
お客様がその分野について、何らかの課題を抱えていたり不便な状態があって、それを解決するために新しい商品やサービスを求めようとしているわけです。
まずはどういう状態を望んでおられるのか。
「理想像」のイメージを正確に理解するように注力しなくてはなりません。
まずお客様の描いている理想像の理解に集中することには、二つの大きなメリットがあります。
①提案の幅が広がる
「理想像⇔現在の状態」のギャップが、抱える課題です。
理想像をイメージして、既成概念を取り払って考えることができれば、理想像を実現する方策は、山ほども考えられると思います。
しかし、理想像を理解しないで、「御用聞き」のように、お客様の抱える課題や不便さだけを聞き対応していると、示された範囲の課題の一つ一つに対応する「課題対応型」になり、発想の幅も制限され、提案の幅も非常に狭いものになってしまいます。
②理想像の考え方に刺激をいただく
お客様と対話していて、最も学びになる瞬間は、お客様の企業としての理想像を聞かせていただく時、ご担当者が自分の担当するプロジェクトや仕事自体にどんな理想像を描いているかを聞かせていただく時です。
人は高い理想に触れる時、刺激を受け、視野が広がります。
お客様に聞いて学んでよいのは・・・・
・こうした「企業の理想像」「プロジェクトの理想像」を聞かせていただく時。
そして、
・苦情やご指摘を真摯に聞かせていただいて、変革をしていかなければならない時。
の2つの時です。
株式会社マングローブ
今野 誠一
毎日ブログ更新中
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「スター社員の仕事術」
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。