9月7日(火)から吉野家が「牛鍋丼」並盛り280円を全国発売する。「一人負け」とまでいわれる牛丼戦争において、生き残りをかけた一手の決め手は?そして課題はどこにあるのか?
■ちゃっかり「クロスセリング効果」も仕込まれている点に注目
牛鍋丼が顧客支持を獲得したとすれば、吉野家にとって、さらなる収益向上のチャンスがあることも実は見逃せない。
<結構濃いめの味付けだったので、卵がほしくなりスタッフさんに頼んで持ってきてもらいました。甘辛いタレの味がしっかりついた肉を溶き卵に浸して食べると、かなりすき焼きを食べているのに近い気分になりました><従来の牛丼より100円安いため、ちょっとリッチに卵をつけても罪悪感は薄いかもしれません>(Gigazine)
nikkei TRENDY netも<生玉子を加えても350円>と、ついつい卵を追加オーダーしたくなる味付けに仕上げてあるようなのだ。280円の牛丼に「おろしポン酢」「高菜マヨ」などのトッピングでプラス100円を稼ぎ出すのがすき家の得意技だ。しかし、多くの顧客が生卵を追加して、何も加工も調理もせずにプラス70円が実現できるとすれば、吉野家のクロスセリングは極めて効率的だといえるだろう。
マイライフ手帳@ニュースによれば、同記者会見で<10月7日から「キムチクッパ」を280円で全国発売することも合わせて発表した>という。メニュー開発に及び腰に見えていた吉野家も、ついに抜本的な原材料の変更という大なたをふるう改革に乗り出した。まずは、牛鍋丼で顧客支持が得られるかにかかっている。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。