「お客さまのため」という姿勢は、言葉で発するより前に、行動で示すものです。 行動の中には「思考」も含まれます。 安易に「お客さまのために」と発する、当事者意識のない人間は、プロではありません。
ただ、「これよりひどい人」が世に存在するため、このような態度をとる人が「お客さまのため」に考えているように受け取られるだけなんです。
心底お客さまのことを思っているのであれば、たとえば「パルティオゼット」のクロージングをユーザーに告知する前に、次の3点をやっています。
1.まず「今のままだと企業の存続に反する行為をしているのではないか」という疑念と常に向き合っています。
ユーザーに「ありがとう!」と言われるサービスって、なんとも心地良いものです。
その心地良さに満足し、サービスを導入した当時の目的が達成できているかどうか、数値的な検証を少しもやろうとしない場合があります。(とくに教育業界では。これはこれで「人としての良性」の態度、ではあるものの)
#数値的な検証が出来ない類のものもありますが、結果できないことと、やろうとする姿勢とは違う、ということで捉えてください。
パルティオゼットは本来の目的を達成できていませんでした。
では、その目的を変えて存続の意義があるか?と検証したとき、Webサービスとしてはじき出された数値を見た上で、Web屋の僕の感覚と照らし合わせると、「存続の意義なし」と言わざるを得ない結果でした。
あくまでも企業活動。
「普通の感情を持った人間」の前提で、このように割り切る姿勢を同時に持ち合わせることは、お客さまのことを考えた態度なんです。
2.実際に何らかの作業をとことんする、という「汗」をかいています。こと、コミュニティサービスの提供者側としては、ユーザーとの「対話」をしています。
一言で言うと、「つべこべいわずに(ユーザーに対して)やっている」ということです。
今回のパルティオゼットのように、コミュニティサービスを成功させるには、仕組みをポン!と導入しただけではダメです。
ユーザーのことを考えている人は、ユーザーと“対話”する「コミットメント」を、やれ業務効率とか、やれ担当ではないとか、そういうことを抜きにして「やる」んです。
「普通の感情を持った人間」のうち、「お客様のために、なんとかならないの?」という発言をの類を安易にする人の多くは、この「コミットメント」に欠ける…経験則でそう感じています。
だから、発言が、どこか他人事。「なんとかならないの?」となる。
なんとなならないの?じゃなく、なんとかする、なんとかしたい。そして実際にやっている。
それが「お客さまのため」という当事者意識がある人間です。
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