「BRQ」(Brand Relationship Quality) は、ブランド(商品・サービス)を「人」に見立てて、 消費者(顧客)が、そのブランドに対して持っている 「感情的なつながり」 をアンケート調査などを通じて測定するものです。
そしてこの「感情的なつながり」は、
具体的には次の7つの軸で測定します。
1 親密さ(Intimacy)
2 こだわり(Commitment)
3 パートナー品質(Partner Quality)
4 今の自分とのつながり(Self-connection)
5 愛着(nostalgic feeling)
6 相互依存(Interdependence)
7 愛情(Love/Passion)
従来良く行われてきた
「ブランドイメージ調査」
では、消費者がブランドに対して持っているブランドの
「性格」(パーソナリティ)
を主に次のようなキーワードを選択させること
によって測定します。
・先進的
・都会的
・野暮ったい
・暖かい
したがって、「BRQ」は、
従来のブランドイメージ調査とは全く異なる視点で、
ブランドを評価するものということがおわかりかと思います。
では、BRQは実際にはどのように実施・活用するか、
ということを簡単に説明します。
基本的には以下の手順になります。
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1.BRQの測定対象とする競合ブランドを決定
2.競合ブランドと自社ブランドについて、
所定のBRQ調査票を利用してアンケート調査実施
3.調査結果から、上記7つの軸それぞれについて
各ブランドのスコア(評点)を比較分析し、
自社ブランドの強い軸、弱い軸を把握
4.特に弱い軸について、スコアを向上させるための
具体施策を立案、実施
5.定期的にBRQを実施して、各軸の改善度合いをチェック
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たとえば、調査の結果、
自社ブランドが競合ブランドより劣っている軸は、
・親密さ
であることがわかったとします。
これが、仮に「ショップブランド」の場合だとすると、
「親密さ」が低いというのは、顧客と店・店員との
「心理的な距離感」
が、競合より遠いことが問題となっています。
ですから、いままで印刷で済ませていた
「お誕生日カード」
を手書きのものに変えてみるとか、
従来は、「気取りすぎ」の接客を
多少フレンドリーなスタイルに変更する
といったことが、改善案として考えられます。
私が「BRQ」をとても面白いと思ったのは、
このように、調査結果に基づいて、
具体的な企業の行動施策に落とし込める点でした。
以前、テスト的に小サンプルでBRQの考え方を
踏襲したアンケートをやったことがあります。
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2007.10.05
2007.10.09
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。