日経MJ5月26日・総合小売り面に「オダキューOX 売り場の魚 焼いて販売 今夏メドに全店で 客の注文受け」との記事が掲載されていた。鮮魚売り場で何が変わろうとしているのか?それにはどのような意味があるのか?
オダキューOXの「オーダー焼き魚」の販売は、もちろん競合が模倣することはできるサービスだ。だが、片手間ではなく、専用調理場を設けるという力の入れようから、先行優位を構築しようという意図が見える。確かに、例えば定食屋で食べる同じ焼き魚でも、どうもパサパサして美味しくないものもある。焼き方の巧拙で味が分かれる。そのスキルを確たるものにし、「オダキューOXの焼き魚はうまい!」というパーセプションを獲得しようとしているのだろう。また、焼きたてを持ち帰っても若干冷めるのは否めない。掃除の手間や時間をかけない再加熱の方法をアドバイスしたり、焼き魚に合う副菜のレシピを提案したりという展開も予想される。
「鮮魚を焼いて売るスーパー」から学ぶべきもの。それは、競合と同じ土俵で戦わないという戦略と、大量仕入れ・大量販売という旧来のスーパーのビジネスモデルが崩壊しつつある「縮む市場」と化した日本での生き残り策を「加工度の向上」というキーワードで考えさせてくれるものだと解釈できる。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。