調達・購買部門の問題は人手不足ではなく、バイヤー個々人の「意識改革」の問題である。 現代のバイヤーは、「変化」を楽しめる人でなければ ならない。
既にご存知な方も多くいらっしゃると思いますが、
先日「2007年度調達・購買に関する調査」報告書を発表しました。
本年度も社団法人日本能率協会さんと共同調査をしています。
また、先日台風の直撃する中、日本能率協会さん主催の
「調達・購買革新大会」で同アンケート結果の報告をしました。
今回のアンケート調査のハイライトは2点でしょう。
1点は「CSR調達」についてフォーカスした調査をした点です。
その結果として、特に大手企業では71%が「積極的に推進している」、
「推進している」という回答をしており、「CSR調達」に対する
積極的な取組み姿勢と高い意識が感じられました。
そもそも今回調査テーマとして「CSR調達」を取り上げましたが、
「CSR調達」という言葉自体が使われていない企業が多いのではないか?
という意見もありました。
時機尚早かもしれないと、内心思っていましたが、意識の高さに
驚きました。
ただ、一方で「CSR調達」の構成要素は、「環境規制の遵守」、
「内部統制の確保および不正行為の予防」、「地球環境への配慮」が
トップ3を占め、従来のグリーン調達+コンプライアンス活動の
延長の活動として推進されていることが特徴的(言葉は変わったが
やることは変わっていない?)でした。
2点目は、調達・購買部門へのマネジメントの期待に関する
調査項目です。
昨年はJ-SOX法の施行などで、内部統制強化への期待が高かった
のですが、今年もコンプライアンス、内部統制、CSR調達等の推進が
高い期待を集めています。
既に調達・購買機能は調達品のQCD(品質、コスト、デリバリ)
だけではなく、+Coという4つの重要機能が求められていることが
わかりました。
一方で経営陣の期待に答えられているか?という設問に対しては、
全体の3割の企業が「答えられていない」という回答でした。
また、期待に答えられていない理由については、
「ある程度方策が抽出されているが、人員数および人員のスキルが
不足しており進まない」がダントツのトップでした。
それでは、人員増強すれば、問題は解決するのでしょうか?
人の問題はその通り、非常に重要な問題です。
ましてや、QCDは当たり前、追加グリーン調達、環境規制、内部統制、
近年の市況高騰に対してより大きなコスト削減を求められる、
という厳しい環境であれば従来から人手不足で悩んでいた企業に、
より人員が足りないという状況は間違いないでしょう。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。