柳澤康弘パンカク社長が語る~iPhoneアプリ米国No.1『LightBike』開発1

2010.04.12

経営・マネジメント

柳澤康弘パンカク社長が語る~iPhoneアプリ米国No.1『LightBike』開発1

ITmedia ビジネスオンライン
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世界中で急速に拡大しているiPhoneアプリ市場だが、海外で受けるゲームを出している日本企業はまだ少ない。そんな中、2009年2月に米国App Storeの有料アプリランキングで1位に輝いたのがパンカクの『LightBike』だ。パンカクの柳澤康弘社長は情報処理学会で行った講演で開発の背景を振り返った。 [堀内彰宏,Business Media 誠]

 アプリの種類は18万タイトル、ダウンロード数も30億本(2010年1月時点)と非常に多いことが分かります。多くのアプリが出ている一方、利用するユーザーも多くいるという市場の中で、非常にフラットな競争が行われています。

 その一例なのですが、下画像が米国App Storeの有料アプリランキングになります。6位にカプコン、11位にエレクトロニック・アーツといった大手のゲームディベロッパーがランクインしてはいるのですが、すごくゆるい絵がアイコンになっているものがありますよね。2位の『Doodle Jump』がそうなのですが、こういった個人が作ったようなシンプルなゲーム性だけで勝負するアプリがポンと上位に入ってくるようなマーケットでもあります。そのため、大手も非常に苦労しており、個人で作ってもランキングに入るのは中々難しいです。

 一方、日本App Storeの有料アプリランキングは下画像のようになっていて、国ごとに売り上げているアプリの種類は大きく異なっています。昔は日本もゲームタイトルが非常に多かったのですが、最近は実用系の有料アプリが上位に来ているように思います。

試行錯誤のiPhoneアプリ開発


柳澤 これまでパンカクがパブリッシャーとして、『LightBike』の有料版と無料版を含めて11個のアプリケーションを出しています。受託も含めるともう少し多い数になるのですが、『LightBike』以前にも9つのiPhoneアプリを作っていて、いろいろと試行錯誤してきました。アプリを作るに当たっては、短期間で企画から実装まで行って、すぐに市場に対して評価を求めて、売れなかったら「じゃあ次を考えよう」という短いサイクルで9つのアプリケーションを作ってきました。

 特に初めは「どういう市場なのか」「どういうアプリが売れるのか」「どういう人たちがiPhoneを買っているのか」ということもまったく見えないような状況でした。

  そこで1つ目は、ニュースになるようなジョークアプリとして『LOVE TESTER』を出しました。これは、iPhoneの画面に2人が指を1本ずつ置くと、2人の相性がランダムな数字で表示されるというシンプルなアプリです。ただ、1つポイントがあって、必ず2人の相性を100%にする裏コマンドが存在しています。そのため、パーティなどで狙っている娘の時だけ100%を出すための“実用アプリ兼ジョークアプリ”ということで出しました(笑)。ただ、私たちは「面白いかな」と思っていたのですが、そんなに受けずに消えてしまいました。

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