先日、夜遅く帰宅すると・・・中学3年生の娘と妻が仲良くテレビに首ったけ。何を見ているかと言えば、バラエティ番組「アメトーク」の最近の名物企画『町工場芸人』だった。 この面白さって何だろう?そこには、バラエティ番組の枠を越えた何かがある。
小関智宏さんの「仕事が人をつくる」(岩波新書)には、インタビュー対象である職人さんたちを見つめてこう記されている。
『生き方として器用に立ちまわれない人たちが、その手先から、社会には欠かせないさまざまなものを作り続けている。こんなケチな仕事、こんなつまらぬ仕事 と、わが身を呪いながらも、いざそのものに向き合えば精魂を込めてしまう。それが多くの職人たちの性(さが)だろう。』
生き方が器用でもなく、法律なんかに守られこともなく、「仕事」で我が身を守る現場から、夢を見て芸人と旅だった人間達が、まだ、その現場に残り輝く人達を描き出す。職人の性(さが)、芸人の性(さが)に、拍手喝采である。毎日を生きていくという「現場」を直視できれば、「○○離れ」なんて無責任な議論は生まれてこないはずだ。
今日、4月10日。平沼赳夫元経済産業相、与謝野馨元財務相ら5人の衆参両院議員による新党「たちあがれ日本」が旗揚げするらしい。民主、自民両党 の批判票の受け皿となる「第三極」を目指すらしいが・・・。『町工場芸人』から感じることのできる職人の性(さが)、芸人の性(さが)が、こんなにも輝いているのに・・・政治家の性(さが)って、どうしてこんなにも痛いのであろうか。
これって若者の○○離れの議論と何ら変わらない。暮らしの現場に居る我々は、少なくとも、立ち上がって働いている。こんなケチな仕事、こんなつまらぬ仕事 と、わが身を呪いながらも、いざそのものに向き合えば精魂を込めて・・・毎日を暮らしていのである。そんな現場に、政治家は立ち上がって欲しいのである。『町工場芸人』がこの世に受け入れられる現在の精神的土壌も知らずに・・・「たちあがれ日本」である。そんなことをいつまでも言っているから、若者の政治離れは、止まらないのである。
町工場芸人であるWコロン・ねづっち風に整えますと・・・
新党・たちあがれ日本のこれからとかけまして、
落語家ととく、
そのこころは・・・
センス(扇子)がなければうまくいかないでしょう。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。