先週、地方の図書館のニュースが、こっそりとメディアを賑わした。これが、まったく対照的なお話で考えさせられる・・・。
その人口増加の起爆剤となっているのが、富山地方鉄道の駅舎に併設された村立図書館。村の全予算が年間13億なのに、その年間予算の10億円を割いて作った、小さな村の割には随分と大きな図書館である。しかし、住民一人当たりの年間貸出冊数は、42,2冊で「日本一」。利用登録者(昨年12月末時点)14800人のうち、村民は約15%の2157人。通学や通勤途中で下車して立ち寄る利用者も多い。駅の乗降客を増やして、電車の停車本数を維持しようという村の狙いも的中しているとある。
そして、ニュースasahi.comぷらっと北陸「舟橋村を行く」では、下記のように締められている。
館内は履物を脱いで入るため、自宅のようにくつろいだ気分になる。床暖房のため、足元は心地よい。辺りを見回すと、絵本を読む子どもや音楽を聴く学生、ソファで寝ている男性、会話を楽しむお母さんたち…。村の中心にある図書館は、憩いの中心にもなっているようだ。
http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000331002060001
その運営費用など、アタマの痛い課題を残しているだろうが・・・この日本一小さな村・舟橋村立図書館の在り方は、地方の図書館の正しい在り方を示唆していると思う。予算消化を遂行するように、本を取り揃えることや、市民に触れることのできない美術品を購入すれば良いというものではない。
事業仕分けは、そもそもがマイナス発想だ。
このニュースを比較しながら考える。地方の図書館に「もし3千万円の寄付金があったら何に使うか?」というポジティブな宿題を与えて全て公開するというやり方はどうだろう?
大概の親方日の丸発想は、ことなかれである。マイナスポイントをいかに無くすかが、知恵の出し所である。そうなっては、街は、活性化しない。「もしも・・・こんなお金があったら・・・」ポジティブな宿題こそ、国が地方に出すべき課題ではないか。その宿題の答えに対して、予算は、配分されるべきである。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。