SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上で友人などと一緒に簡単なゲームをプレイする「ソーシャルゲーム」が流行っている。SNS上に形成されているコミュニティを活用したゲームなのだが、既存のオンラインゲームのビジネスモデルとの違いはどこにあるのだろうか。[野島美保,Business Media 誠]
しかし、サンシャイン牧場などで、一緒にプレイする友達の農園を訪れて、クリックして作物に水をやるというアクションは、心理的負担は小さく、気軽に続けられる。ソーシャルゲームは、ほどよい距離感を保ったライトな交流というSNS内の人間関係にマッチしている。
まだ議論されていないコミュニティ効果
ソーシャルゲームにはそのほかにも、まだほとんど議論されていない特徴がある。「コミュニティがゲームとは別枠で形成されているため、ゲームへの定着(リテンション)が起こりにくいこと」である。
オンラインゲームでは「友人関係を維持するために1つのゲームを続ける」というように、リテンション局面でコミュニティ効果が強く表れる。「そこでしか会えない」という状況にあるからこそ、ゲーム世界に対して執着が生まれるのである。ソーシャルゲームを止めても、これまでと同じようにSNS内で友達と連絡を取り合うことができる場合、そういった執着は生まれにくくなる。
2001~2003年にかけて、日韓のMMOゲームユーザーにアンケート調査を行ったところ、オフ会などでゲーム外でもコンタクトをとっているユーザーたちの間では、お互いに誘い合わせて別のゲームに行く「移民」行動が観察された。すなわち、そのゲームでしかコンタクトをとれないという強制力が外れた場合、集団単位で別ゲームに移ってしまう可能性が出てくるのである。
調査当時のオンラインゲーム業界では、「コミュニティは活性化しさえすればよい」とされていた。しかし、ユーザー同士が結束した結果、移民という負の効果も生まれうると分かった今、「コミュニティを自社のゲームにどれだけ定着させるか」という視点が重要になっている。
【関連リンク】
『人はなぜ形のないものを買うのか 仮想世界のビジネスモデル』(NTT出版)
公式Webサイト:[url=http://sun.econ.
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ソーシャルゲームビジネスモデル
2010.03.15
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