SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上で友人などと一緒に簡単なゲームをプレイする「ソーシャルゲーム」が流行っている。SNS上に形成されているコミュニティを活用したゲームなのだが、既存のオンラインゲームのビジネスモデルとの違いはどこにあるのだろうか。[野島美保,Business Media 誠]
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上で友人などと一緒に簡単なゲームをプレイする「ソーシャルゲーム」が流行っている。オンラインゲームといえば、従来はハードユーザーがMMO(Massively Multiplayer Online=多人数参加型オンラインゲーム)という本格的なゲームをプレイするイメージが強かったが、ソーシャルゲームの登場で普段はゲームをしない層にまで気軽な娯楽として広がりつつある。
日本ではmixiアプリが代表的だが、SNS上で動作するアプリを開発する際に利用できる共通の機能セットとしてGoogleが「OpenSocial(参照記事)」を発表したことで、ゲーム会社から個人までさまざまな人が作ったアプリが登場するようになった。
mixiアプリで最も利用者が多い中国Rekooの「サンシャイン牧場(mixi内のサイトにリンク)」は、開始1カ月で100万人以上の利用者を集め(参照記事)、2010年1月現在では420万人を超えている。このスピード集客は、従来のオンラインゲーム事業では考えられない出来事である。この成功をうけて、「農園系アプリが流行」「田舎ブーム」と言われるようになった。
しかし、果たしてユーザーたちは、農園や牧場やガーデニングが好きでプレイしているのだろうか。筆者はサンシャイン牧場が流行ったのは、「田舎ブームだからではなく、人が仮想空間での活動を楽しいと思う仕組みが、上手く織り込まれていたからだ」と考える。同じような基本構造を持つゲームならば、題材は何でも良い。宇宙開発ゲームでも、中世の城建築でもいいだろう。大事なのは、見た目ではなく、人が仮想空間に価値を見出すようになる仕組みなのである。
筆者は米国・韓国でPCオンラインゲームが普及し始めた2000年から、ゲームとコンテンツの研究をしている。当時、日本はまだブロードバンド化していなかったことから、オンラインゲームは非常に特殊なもの、あるいは韓国特有のコンテンツだと言われていた。それが今ではソーシャルゲームなど、誰しもが気軽に楽しめるものになった。
ゲームとしての表現方法やプラットフォームは、時代とともに変化している。Second Life(参照記事)のような3D仮想空間、携帯アプリやソーシャルゲームと、多様な形態のゲームが生まれているが、それぞれが個性を主張し、独自のジャンルを立ててきたこともあり、ゲーム全般についての共通認識が形成されなかった。
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ソーシャルゲームビジネスモデル
2010.03.15
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