開発購買考

2007.09.16

経営・マネジメント

開発購買考

野町 直弘
調達購買コンサルタント

開発上流段階で製品コストの80%は決定すると言われています。 その開発上流段階でQCD(品質、コスト、デリバリー)の作りこみをしていこうという活動が「開発購買」といわれています。 しかし、必ずしも開発購買が上手くいっているかというと、そうでもありません。

最近、アジルアソシエイツのパートナー企業である
NCネットワークさんが、「NCツールバー」を開発して無料で
配布しています。

NCネットワークさんは、
加工系を中心とした中小製造業の約14,000事業所の
情報提供サイトです。

彼らのすごいところは、インターネットを介して、
バイヤー企業の新規サプライヤ探索のための有益な情報を
提供するところです。
また、コンテンツや分類がかなり使いやすく整備されている点も
特徴として上げられます。
さらに、「NCツールバー」を使うと技術情報や技術動画情報
(製造業の社員教育コンテンツとしても活用できそう)の
検索も可能なようです。

実は、バイヤーは昔から積極的に新しい技術や新しい技術を
持ったサプライヤを探している訳ではありませんでした。
特にBeforeインターネットの世界では、
新しいサプライヤに関する情報収集は極めて難しかったと思います。

一方で、設計・開発の人間は常に新しい技術を求めています。
そういう点からこのようなNCネットワークさんのツールは、
有益な情報共有のためのツールとして「仕組みの適合性」の
GAPを解消できるツールの一つと言えるでしょう。

とはいえ、やはり最近の開発購買の成功推進事例として伺ったような、
「意識」の差をなくすという泥臭い取組みは依然重要であると考えます。

近い将来、「NCツールバー」のようなツールを活用して、
ある製造業の米国の設計者と、日本のバイヤーが情報共有を行い、
わいがや方式で開発購買を推進し、コストが安くかつ、先進的な
製品開発を行っているような姿(・・・まさに理想の開発購買像ですが)
が実現されていることを夢見ています。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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