日清食品・コンビニ棚の大量占拠のその裏側

2010.01.25

営業・マーケティング

日清食品・コンビニ棚の大量占拠のその裏側

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンビニのカップ麺棚が凄まじいことになっている。

 日清食品のブランドマネージャー制度ユニークなところは<2001年には、ブランドマネージャーがブランドを独占できないよう、ブランドを貸し借りできる「ブランドファイトシステム」を導入。厳しい社内競争を課し、これを勝ち抜く強さこそが、社外の競合ブランドとの市場競争にも活きるという考え方(同)>を徹底したという。つまり、社内でロイヤルティーを払えば他ブランドを他のマネージャーが使うことができるのである。
 普通に考えれば、自ブランドを他のマネージャーに使われるということは、自分がそのブランドを生かし切れていないということを意味する。常に新しい価値を生みだそうと必死になるはずだ。通常では自ブランドのことだけを考える「タコツボ化」がおきがちであるが、他ブランドと連携して価値を高めようという意識も生まれるだろう。

 カップ麺市場には年間600種類もの商品が上市されるが、1年後に残っている商品はわずか数%だという。2位以下に逆転されることのない相対的安定シェアを持つ、リーダー企業である日清食品。しかし、その王座に安住することなく、社内では強烈な競い合いと連携を日々繰り返しているのだ。今年は同社創業者の故・安藤百福氏の生誕100周年記念でもある。“次の100年”を目指してさらにアクセルを踏むことだろう。 

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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