人事部門を含め、人材育成を考える際にはこの三点をセットで考えねばなりません。
例えば、誰しも仕事で色々な経験をする訳ですが、その経験から、こういう仕組みになっているのではないか、こうすればうまくいくのではないのか、最も大切なことはこれじゃないのか、といった結論をしっかりと持てるかどうかは人によります。つまり、経験を根拠に法則・原則を結論として導くロジカルシンキングが出来なければ、経験がただの反復い終わってしまいます。経験を成長に変えるためには、薫陶や研修によって経験を論理的に振り返らせなければなりません。
逆に、上司や研修から様々な考え方や理論やフレームを学ぶ訳ですが、そこから現実にはこのように使える、この場面で使ってみよう、こう修正して利用できるかも、といったアイデアや策を考えられるかどうかは人によります。つまり、法則・原則を結論として具体策にブレークダウンしていくロジカルシンキングが出来なければ、それは「使えない学び」として放置されることになります。学びを成長に変えるためには、経験によって学びを論理的に実感させなければなりません。
経験と薫陶と研修のどれが一番大事か、ではなくセット。人材育成とは『経験という根拠をたくさん与え、それらに共通する原理原則もしくはそれらから導かれる大切な考え方を、薫陶や研修を通して結論づけさせること。』または、『薫陶や研修において原理原則もしくは大切な考え方を結論的に習得させ、たくさんの経験をその証拠として実感させていくこと。』と言えるでしょう。人事部門を含め、人材育成を考える際にはこの三点をセットで考えねばなりません。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2010.01.26
2010.03.31
NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。