値決めは交渉それとも市場連動方式のいずれですべき?

2009.12.02

経営・マネジメント

値決めは交渉それとも市場連動方式のいずれですべき?

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

資源大手のBHPビリトンが、原料用石炭(原料炭)の値決めを市場連動方式に切り替えるよう、日本の鉄鋼大手に対し、要請しました。今回は、BtoBの値決めを交渉と市場連動方式とのいずれですべきかについて考えます。

■ まとめ

市場連動方式は、これまでの取引先選定の競争原理を損なう事なく、価格決定の交渉やそのために費やしていた時間が売り手、買い手企業とも大幅に減らせるため、適正な指標が得られる限りは、積極的に活用されるべきものです。

一方で、現在のマネーの動きは異常と言えます。マネーは「経済の潤滑油」とも言われていますが、今のマネーは「経済の不正軽油」とも呼ぶべきものになっています。

不正軽油は、軽油引取税の脱税を目的に、トラックなどのディーゼルエンジンの燃料となる軽油に、より安価なA重油や灯油などを混ぜ、軽油として販売するものです。不正軽油には、摘発を免れるために混ぜ物を入れたり、ひどいものでは水などが混ぜられ、不完全燃焼でエンジンを壊してしまいます。

今のマネーの動きは、経済の潤滑油どころか、この不正軽油のように、水増しされた過剰流動性により、あちこちでバブルを起こし、実態経済を破壊するケースが増えています。

企業人としては、規制や行政府の力に頼るのは本意ではありませんが、過剰なマネーの流動を抑制し、実態経済が主、マネー経済が従となる社会を築くべく、商品市場への投機資金の流入に対するある程度の規制が必要と考えます。

※本稿は、弊社が発行しているメルマガ「週刊 戦略調達」の記事を編集・加工したものです。「週刊 戦略調達」は、調達・購買業務とそのマネジメント、コスト削減・経費削減のヒントを提供すべく、調達・購買業務のマネジメント、戦略調達のプロフェッショナルが、最新のトピックスから、調達・購買業務におけるトレンド、業務への影響を解説したものです。最近の記事のバックナンバーの閲覧やご購読は、http://samuraisourcing.com/knowledge/weekly/ にて行えます。

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