日経ウーマンオンラインとINSIGHT NOW!のコラボレーション企画! 明日から使える“オンナゴコロ”をつかむマーケティングのヒントに! 大多数の消費行動を担っていると言われる女性達。 その心をつかんだ商品やサービスの仕掛人に、 オンナゴコロの仕掛け人で、 INSIGHT NOW!ビジョナリーの武田舞が直撃。
この商品は、香りも、ボトルデザインも化粧品のようでありながら、あくまで家庭用品である。これまで家庭用品のCM戦略といえば露出量を多くして商品を覚えてもらう、というもの。この商品には今までの柔軟剤とはまったく違う戦略が必要だった。
交通広告は銀座、表参道、自由が丘といったおしゃれな街の駅に限定。「なぜ、柔軟剤の広告がファッション雑誌に?」と社内から疑問視する声を受けながらも、ファッション雑誌に大きく広告を掲載した。さらにランジェリーブランドともコラボレーション。洗い上がった下着から良い香りがすれば、贅沢な気持ちになれる。柔軟剤PRとしてはかなり異例なことだが、大手のランジェリーショップで商品サンプルを配った。売り場の女性にも好評だった。
今や柔軟剤市場は730億円。ファミリー向けという花王イメージが持つ安定感と、品質に寄せられた信頼感が「花王らしくない柔軟剤」の評価を高めた。売上も計画の2割増し、順調な成長を続けている。
たかが柔軟剤、されど柔軟剤。消費者からすると、「香り」の次は何を仕掛けて来るのかが楽しみである。
● 豊田正博流「オンナゴコロ」を刺激する極秘テクニック 3か条
1.擬似恋愛
主婦は妻であり、母であり、同時に女性です。言葉は悪いのですが、マーケティングは擬似恋愛みたいなもの。彼女と出会うためのきっかけをどのように作り出すか、そのためにどんな外見が必要か、そして、どんな話のネタをしこんでいくか。まさに恋の極意です。
2.素敵なものを想い起させる香り
海外旅行の経験も多い彼女たちにとって、日々の暮らしの中でヨーロッパの贅沢な香りを感じることは豊かな気持ちにつながっていきます。「普段とは違う」、これは絶対必要条件です。
3.感謝の気持ちを忘れない
ひとつの商品が出来上がる前に、どれだけの人の力が関わってきたかを忘れないこと。こうした感謝の気持ちは、商品を手にしたお客様にも絶対に伝わると思います。
●インタビューを終えて…
店頭でこの商品を見たとき一目ボレ。香りサンプルで「シエスタ」をチェックして即、購入を決めた。選んだ理由は、「海外のホテルリネンの香りがするから」。我が家のファブリックやリネンもこんな香りがしたら……と想像がふくらんだ。
見事に、仕掛人達の「疑似恋愛」作戦の罠にかかった私。そのつかまれた「オンナゴコロ」とは日々の暮らしの中で、良い香りに包まれるちょっとした優越感かもしれない。仕事で疲れた夜、ふんわりと香る寝具に包まれて眠ると、ちょっと贅沢な気持ちになる。いい夢も見れるような気がする。今回は、男性ならではの「オンナゴコロのつかみ方」。「疑似恋愛」という表現には驚いたが、納得。ぱりっとした白いシャツが清潔感ただよう豊田氏が語ると「疑似恋愛」というキーワードも上品に聞こえて来るのが不思議だ。
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日経ウーマンオンラインSPECIALコラボ~オンナゴコロの仕掛人
2010.01.05
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