アルコールを含む「全品299円」などの「低価格・均一価格居酒屋」が急増しているという。居酒屋業界は今後どうなっていくのか。
<居酒屋チェーン全品300円以下均一価格の居酒屋急増。進む居酒屋のデフレ化>(Fuji Sankei Business i)
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200911140109a.nwc
記事を見ると<料理やアルコール類を全品300円以下の「均一価格」で提供する居酒屋が急増している>という。
当Blogで今年の2月下旬に東京ウォーカーの記事を元に、「全品均一価格」ではなく、「激安」居酒屋に関するコラムを掲載した。
<「損して得取れ」・激安居酒屋の価格戦略に学ぶ>
http://kmo.air-nifty.com/kanamori_marketing_office/2009/02/post-f71f.html?no_prefetch=1
鮮魚の刺身10円、焼き鳥1本50円、手羽先5本399円という価格で料理を顧客に提供する、ある激安居酒屋の価格実現の秘密を、東京ウォーカーは<馴染みの業者から特別に仕入れている>と報じていた。
激安の秘密は実は比較的簡単だ。激安メニューは利益が出なくとも販売する「ロスリーダー」商品である。「ロスリダー・プライシング」で損を覚悟で目玉商品を用意して客を呼ぶ。そして、利益の出る価格設定をしたほかの商品を併売して目標利益を達成する「マージンミックス」を図っているのだ。
均一価格でも、メニューによって原価率の違いはあり、その組み合わせでマージンミックスも当然図っていると考えられる。しかし、価格の上限があることは極めて厳しい。それ故、「激安メニューがある居酒屋」と「低価格均一価格居酒屋」のビジネスモデルとしての違いは大きい。
Fuji Sankei Business iの記事では、「均一価格」実現の事例を紹介している。居酒屋「甘太郎」などを展開するコロワイドは新業態店「うまいもん酒場 えこひいき」で均一価格居酒屋に参入。均一価格実現手段の一つは食材の一括大量仕入れだという。
低価格な仕入れの実現でも、単独店舗が独自の仕入れルートを活用することと、チェーン店では意味が大きく異なる。一括購入は、大量仕入れによるボリュームディスカウントが効く反面、素材の「品質」「価格」「量(を確保した納期)」の安定も重要となる。いわゆるQCD(Quality・Cost・Delivery)である。「均一価格」を実現したということは、揺るぎないQCD体制が確立されていることを意味する。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。