「ひらめき」に関する一考察

2007.09.07

ライフ・ソーシャル

「ひらめき」に関する一考察

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

人はどんな時に「ひらめき」を感じるのだろうか。 コクヨが発表した“「ひらめき」に関する意識調査”から少し考えてみた。 いついかなる時でも「ひらめき」を得られるようになれば素晴らしいことだ。 また、その阻害要因を排除できるなら、それも有益であるだろう。

「ひらめきにはくつろぎの時間と空間が必要」であり、「誰かと話しているような時」はひらめきを阻害するということになる。
本当にそうだろうか。

また、次の項目も気になる。

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最近ひらめいた経験が「ある」人は41.4%、そのうち年収1000万以上の高所得者層については平均より13ポイント高い54.5%となっている。
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「ひらめき」と所得に因果関係があるのだろうか。

「柔軟な発想で新しい価値を思いつく」という調査の前提があるので、「くつろぎの時間と空間」があれば、「ひらめき」が生まれ、「柔軟な発想で新しい価値を思いつく」ことによって収入も上がるような成果につながる・・・と解釈できるが、だとすると少々違和感を覚える。

以下、あくまで個人的な感覚だが賛同いただける部分はあるだろうか。

確かに、筆者も「布団の中」「風呂」「車(電車)の中」で何かを思いつくことが多い。しかし、それは「くつろいでいる」のではなく、常にいくつかの考えるべきテーマが頭にストックされており、何らかのきっかけで解が見つかるという感覚だ。
また、「1人のとき」は必須要件ではないように思える。むしろ、何か執筆などをしている時は、事務所の机で考え込んでウンウンと唸っていると、すぐに煮詰まる。そんな時は街に出て歩き回る。
何らか、「ひらめく」ためには外的な刺激が必要なように思う。

さらに、「誰かと話しているとき」にも筆者はひらめく。
人の話しの中からひらめいたり、自分が人に説明するため、頭を整理しながら話をしたりしている時にもひらめく。
講義・講演などで何度も同じ話をしている時でも、受講者の反応によって、「ああ、こういう理解をされたか。では、もっと別の説明のしかたを今回は追加でしなくては」とひらめき、さらに以前より分かりやすい内容に進化することもある。

「ひらめき」はただ漫然と「くつろいで」いるだけでは生まれないのではないだろうか。

・常に「ひらめき」のネタとなる、何らかの要素・情報を頭にストックしておくこと。
・積極的にそのネタ・情報に外的な刺激を加えること。
・「ひらめきのシッポ」とでもいうような、ひらめきの予兆のようなものを感じたら、さらに刺激を加え、瞬間的にそこに集中し、思考すること。

・・・そんなことが「ひらめく」ための個人的な方法論ではないかと、上記の調査結果をみて「ひらめいた」次第だ。
まぁ、ひらめいてもどうも年収にはあまり反映されていないのが現実だが・・・。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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