実に87年の歴史を持つ小学館の学年別学習誌「小学五年生」と「小学六年生」が休刊することになったと報道されたのは、つい先日のことだ。少子化の影響か?生活が多様化したからか?いやいやそれだけではない。子供達に、いったい何が起こっているのか?ちょっとリアルに考えてみた。
この事態を「社会のひずみが垣間見える」なんて論じて終わりたくない。
特筆しておくべきは、「子供達が、大人の望む子供像を演じなくなった」事実である。マスメディアに出ることができたら「よい子を演じる=大人が期待する子供の典型」という意識が、ほぼゼロに等しくなってきているという現実である。
むしろ、悩みを打ち明ける子供達の側に、そういうギョッとした話しをメディアで公開した方が、聞いてる大人達は喜ぶという打算があるのでないだろうか。どうせラジオに出て聞くなら、ネットを調べても安易に出てこないような相談をした方が意味がある。そういう子供たちのメディアリテラシーのなせる業である。
小学5年生を演じている小学5年生は、もう居ない。
小学6年生を演じている小学6年生は、もう居ない。
小学5年生にもなって「小学五年生」を読むのは恥ずかしい。
小学6年生にもなって「小学六年生」を読むのは恥ずかしい。
それが今どきの子供達のリアルなのだ。きっと。
出版社や親の期待のまま「学年別で横切りされる自分」を許せなくなった結果、「小学五年生」「小学六年生」は休刊に追い込まれた。
リニューアル前の『全国こども電話相談室』の番組スポンサーは、皮肉にも、小学館。『全国こども電話相談室・リアル!』になってから現在は、リソー教育グループ、全日警提供(ネット局を除く)。塾と警備会社がスポンサーの、こども電話相談室って、それこそリアルである。
リアルな子供の話のついでに・・・GMOリサーチは自社のリサーチコミュニティ「infoQ」にてクリスマスに関する調査(38108名)によると、
日本人の子供たちは10歳までに73.6%がサンタクロースを信じなくなる
という。今年のクリスマスは、リアルな子供の悩みを聞きだしてみるのも一考である。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。