「自分の登るべき山」はどこにある!?

2009.09.25

組織・人材

「自分の登るべき山」はどこにある!?

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

世間が決めたいい山に登るだけが能ではない。当初は何も見えない景色の中に「自分の登るべき山」を見出し登頂するのが最高のキャリア能である。

・・・まぁ、そうすることもできるでしょう。
(そして、実際、そういう人は多い)

しかし、私が本記事で訴えたいことは、「もがいてみろ!」ということです。
どうもがいたらよいかは次回の記事で書きますが、
ともかくもがくことで、いったん、
Q点のような少し見晴らしのきく場所に辿り着くことができる(図3)。

そして、そこから、実はいろんな次の山が見えてくる。
それはR1という山かもしれないし、R2かもしれない、R3かもしれない、
・・・無限の種類のR山がありうる。
(P点に沈んでいた時には想像もつかないようなR山が)

結果的にR山を登ってしまった人にとっては、過去のP点の自分を悠然と振り返られる。
逆に、P点でもがくことをせず、妥協の人生に流れた人は、
ついぞR山の可能性が無限に広がっていたことに気づくこともなく生きていく。

最後に、本記事のタイトル:「自分の登るべき山」はどこにある!?
に対する答え―――そこかしこに無限にある!

◇ ◇ ◇ ◇
思い出した補足をもうひとつだけ。
私がかつて大学で講義をしたときに学生に伝えたことです。

冒頭の「何がなんでも司法試験合格」「何がなんでも東大」のように
就職の際の会社選びにしても
「何がなんでも三菱商事」とか「何がなんでも東京海上」など
世間の決めたランキングに依って、ブランド品を欲しがるように就職先を志望する。
その発想に揶揄と親ごころの助言を込めて、
私は冒険家・植村直己さんの次の言葉を紹介しました。

「私は五大陸の最高峰に登ったけれど、
高い山に登ったからすごいとか、厳しい岸壁を登攀したからえらい、
という考え方にはなれない。
山登りを優劣でみてはいけないと思う。
要は、どんな小さなハイキング的な山であっても、
登る人自身が登り終えた後も深く心に残る登山がほんとうだと思う」。
          
                  ―――植村直己『青春を山に賭けて』

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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