企業の販売促進策として、商品の無料配付が盛んに行われている。最近の傾向は少量サンプルの「試供品」ではなく、商品現物を配付する太っ腹な企画が目につく。そんなんで採算会うの?と思う方も多いだろう。そこで、無料配付の成功の秘訣を考えてみたい。
但し、その設計においても、「ターゲットは誰なのか?」を明確にするべきことは言うまでもない。「無料配付」という施策で集まってくるのはどのような人々なのか。それが、以降、自社の顧客として反復購入してくれる可能性がある人なのか、もしくは、クチコミの媒介としてふさわしい人たちなのかを見極めるのは重要である。
その意味では、今年6月1日に行われたフランスの老舗ジュエラー「モーブッサン(MAUBOUSSIN)」の「5,000円相当のダイヤ先着5,000名無料配付」の事例を他山の石とすべきだろう。「ダイヤモンドがタダ!」というインパクトで多数の人々が押し寄せて大混乱になったが、その後、同店の顧客として定着した人は多いとは思えず、また、ネット上のクチコミもネガティブなものが多かったように見受けられる。
消費者の態度変容の設計以前に「ターゲットの見極め」が成功のためにはまず第一条件なことも忘れてはならない。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。