最近は、特産品を作って、ブランド化だ!といった無責任なお話しは減りつつあります。ブランドって何なのでしょうね、というのをつらつらと書いてみようと思います。
だから、コンサルタントが自治体に入っていって、あなたの地域はこうじゃないですか?ということ自体には一応価値があると思います。
そこで、いきなり具体に落とさないで、その街のコンセプトというか、提供価値というか、そういうものを明確化するお手伝いをした上で、具体に落としていく、というようなことができたら、いいんじゃないかな、と思うのですね。
別に、ブランドエクイティだとか、ブランドアイデンティティだとか、難しい言葉を使う必要はないですし、必ずしも、ロゴマークのデザインに落とす必要もないと思います。
アカデミックに学びたい方は、アーカー教授のブランディング三部作「ブランド・エクイティ戦略」「ブランド優位の戦略」「ブランド・リーダーシップ―」を読んでみて下さい。最近に書かれたものほど、チャートが概念的に整理されてはいます。はじめの頃の本に書いてあるチャートはちょっとひどいですね・・・。
個人的には片平先生の「パワー・ブランドの本質」が好きですね。学生のころ、彼の講義に出ていた時に、「ブランドとは人の頭の中に口座があるようなものだ」と言っていました。その口座に入っているものによって、人は購買したり、しなかったりするのだ、と言っていました。もうだいぶ前ですし、片平先生はすでに退官されていますけどね。
結局は、ある程度の規模感のある人々の頭の中に、長期的な視点で見て、どんなイメージ形成が可能ですか?という普通の論点に帰着しますね。
具体に落ちた時の論点は、その地域に住みたい人、訪れたい人を増やすには?とか、その地域の特性を活かした買いたくなる商品は?とか、そういう論点に行くんでしょうけど・・・。
その上で、地域の仕組みというか、ストラクチャー的な論点に移行していくと、わかりやすいかな、と。結局、普通の事業を組むときと同じような論点が適用できる・・・。
別に「ブランディング」とか「ブランド」という言葉は本質的でない、という結論に帰着してしまうのかな・・・。
まあ、少し前のB2Bソリューションの切り口として、「コーチング」と称した組織から入っていくのが流行っているように、自治体へのソリューションの切り口として、「ブランド」と称するものがある、ということだけなんでしょうね・・・。
コンサルティングという商品をパッケージ化して、全国に営業をかけていくんだ!という視点で言うと、ブランド>特産品、という切り口は、とても強力なものなのだと思いますし、顧客に合わせるという視点から行くと、彼らにわかりやすいものから入るのも、正しいアプローチだとは思いますけどね。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。