もう一度読み返したい書籍 : 【オルフェウス・プロセス】 (著)ハーヴェイ・セイフター+ピーター・エコノミー
■ 平等なチームワークを育てる
個人の優れた幅広い技能と自己責任のうえに成り立つ複数の混成チームを形成し、個人やグループに
権限をもたせ、全員が協力して意思決定をし目標を達成する。
■ 話の聞き方を学び、話し方を学ぶ
開かれたコミュニケーションの手段を確保すること。組織の全員が、自発的かつ熱心に人の話を聞き、率直かつ真摯に自分の意見を伝える必要がある。コミュニケーションが常時このように双方向に流れていないと
オルフェウス・プロセスは機能しない。
■ コンセンサスを形成する
メンバーが一緒に同じ方向へ同時に進むことに同意しないかぎり、物事を進めることができない。
コンセンサスを模索すると同時に形成することは、きわめて重要な要素である。
■ 職務へのひたむきな献身
情熱をもって職務に献身すること。目的意識を共有することにより、多様な従業員がまとまり意欲をもち、
使命感を自ら抱かせる。
本書では、上記の原則を実行に移すための5つのステップとその際陥りやすい罠と落とし穴が各々記されています。また、実際にこの「オルフェウス・プロセス」を応用した原則を取り入れ成功した企業の例として、JPモーガンやリッツ・カールトン・ホテル等の実例が多々紹介されています。
8つの原則のうち、特に「リーダーシップを固定しない」という考え方はとても興味深く思いました。 一度もリーダーを勤めたことがない人は、常に従属の意識で固定され、リーダーに対する不平不満を言いながら何も創造することがない状況に陥りやすい。メンバー全員がなんらかの形でリーダーを勤めるいうのは、組織運営の「当事者意識」をもつ機会となり、良い仕組みだと思いました。そう考えるとこのオルフェウス・プロセスの肝は、全員に「当事者意識」をもたせ、個々のメンバーからの引き出した「創造力の共有」を生み出す仕組みと言えるのではと思います。
内容が挑戦的で賛否が分かれるだけに、組織、リーダーシップなどについて考えるきっかけを与えてくれる、
刺激ある一冊です。
(初回2007年8月30日掲載)
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