街の飲食店や小さな会社が、テレビ番組で放送されて大きな話題に……。著書『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』で、小事業者がテレビに取り上げられるための秘けつを記した野呂エイシロウさん。なぜ彼は、この本を書こうと思ったのだろうか。[郷好文,Business Media 誠]
野呂さんがまず手がけたのは「2万人学生会員アンケート」。学生が何を買い、どんな感想を持ったかを細かくアンケートでまとめた。三菱総研などを通じて、毎週レポートを企業に販売。100万円以上の金額でバカバカ売れた。“かっこインテグラ”を買い、すぐにプレリュードに乗り換えた。スーツをパリッと着てクルマで出社。大学生にして年収はサラリーマン管理職以上だった。
ノリまくる学生起業家たち、帝国ホテルに宿泊して企画書を作成、企業にFAX送信したこともあったという。「なぜ帝国ホテルなんですか?」と尋ねると、
「FAXの下に“帝国ホテル”って名前が出るでしょ。『学生の分際でこいつら帝国ホテルにいる!』と驚かせるためです」
しかし、実際は「2人部屋に8人が泊まっていた(笑)」という。
藤谷美和子のヌード
業界初の大学生クレジットカードの発行や、モスグリーンの学生向け家電など、数々の企画を成功させた。大学卒業後も出版社に就職したが、新入社員の分際でメルブレインズに仕事を2000万円も発注したという。しかし野呂さん、出版よりも放送にこだわりがあった。
「『GORO』に藤谷美和子のヌードが載っていたんです」
野呂さんが高校生の頃のこと。青年向け雑誌『GORO』のその号が欲しかった。エッチな写真が多いこともあり、学生服では中々買えなかった。
「えいや」と買ったら、秋元康さんの新春特別インタビューがあった。読みふけった。おニャン子クラブってすごいと思った。ヌードは切り取らず、秋元さんのインタビューを切り取った。
野呂さんは小中高とずっと放送クラブに所属。テレビ番組を作る仕事が夢だった。しかし、名古屋で制作されているとばかり思っていた『オレたちひょうきん族』などのバラエティ番組が「すべて東京で作られていたんだ!」と知り、あきらめて地元に就職した。
だが、そんなある日、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の放送作家募集広告を見つけた。「これだ!」と、ラブレターを書くように10枚の企画書を書いた。すると……、
「吉田正樹さん(当時フジテレビの制作、現ワタナベエンターテインメント会長)から電話があったんです。『これから会えますか?』と。待てよ、今は17時だ。東京まで新幹線で2時間(当時)、(当時フジテレビ本社があった新宿区)河田町まで1時間とばぁっと計算。河田町なんて知らないから余裕をみて、『残業を終えて8時にうかがいます!』」(笑)
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