質問するチカラ、そのスキルとテクニック(2)

画像: OpenCU

2009.07.30

仕事術

質問するチカラ、そのスキルとテクニック(2)

家弓 正彦
株式会社シナプス 代表取締役

ビジネスの様々な局面で「質問」は飛び交っているはずです。 そのなかでも、「鋭い質問」や「深い質問」もあれば、 「何を聞いているのかわからない」とか「それを聞いてどうする?」なんていう質問まで、いろいろありますよね。 ビジネススキルの一つとして、 「質問するチカラ」はとても大切だと思うのです。 ということで、今回は「質問するチカラ」がテーマです。

ソクラテスは「嘘をつくことは悪か?」と問いかけたのに対し、
相手は「悪である」と返したとします。

その相手に「友人に薬を飲ませるためにつく嘘は悪か?」と連続質問をすることで、
相手から「悪ではない」という回答を引き出したとされます。

これを「自説に誘導する」ために使えると思うのです。

仮説「その商品は顧客のニーズにこたえていない」
 ↓But.
顧客「その商品は素晴らしい!」

ここで、仮説は崩れ、心が折れそうになりますよね?
仮に、気持ちを取り直しても、「本当に?」とか「絶対?」なんて聞いちゃいけません。

ここで有効なのが、連続質問です。

「なぜそう思うのですか?」「具体的な根拠は何ですか?」
「他の商品と比べて、どこが優れているのでしょうか?」
「そうでないと思っている人はいませんか?」
「もっと良くするとしたら、どこを改良しますか?」
「そもそも良い商品とはどういう商品ですか?」

こういった連続質問で、歪曲や一般化が潜んでいないか確かめてみましょう。

■ 誘導尋問と誤導尋問

誘導尋問、よくTVドラマの裁判シーンで「それは誘導尋問です!」とかやってますよね。
そう、一定の回答を暗示して行うクローズドクエスチョンです。

誘導尋問「貴方が被害者を殺したんですか?」

それに対し、誤導尋問は、重要な前提を省略して行う質問です。

誤導尋問「貴方が被害者を殺した時に、ナイフを使いましたか?」

これは、被告がまだ「殺した」と言っていないにも関わらず、
「殺したこと」を前提として質問をしています。

ま、仮説に誘導するひとつの手段として使えないこともないのですが、
これは、それこそ事実を歪めて、仮説に誤導してしまうリスクがあるので、
慎重に使わなければなりませんね~

■ それでも仮説が崩れたら、、、

いや、ここまで来て仮説が崩れてしまっては、もうどうにもなりません。
むしろそんなリスクがあると感じたら、
事前に仮説のセカンドプションを考えておくべきですね。
場合によっては、サードオプションまで考えておくこともありますよ。

あるいは、「その場ヂカラ」で対処するという方法もあります。
もう一度、事実情報を整理して、イシューツリーを立て直し、
仮説を構築して、質問をやり直す、、、

ちょっとタフな作業になりますが、、、(汗)

■ 4つのスキル

総じて、この「質問するチカラ」を高めるためには、
4つの基礎スキルが必要になると考えられます。

(1)ロジカルシンキング(Logical Thinking)
  自分の頭のなかで、目的をイシューを論理的に組み立てるチカラ

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家弓 正彦

株式会社シナプス 代表取締役

マーケティング戦略を中心としたコンサルティング、マーケティングに特化した教育プログラムの提供を行っています。

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