ビジネスの様々な局面で「質問」は飛び交っているはずです。 そのなかでも、「鋭い質問」や「深い質問」もあれば、 「何を聞いているのかわからない」とか「それを聞いてどうする?」なんていう質問まで、いろいろありますよね。 ビジネススキルの一つとして、 「質問するチカラ」はとても大切だと思うのです。 ということで、今回は「質問するチカラ」がテーマです。
ということは、質問に対する回答にも、
常に「省略」「歪曲」「一般化」が起こっていると覚悟すべきですね。
・「省略」
「このままだと、状況はさらに悪化するだろう」
→ 「何を変えないとマズイ?」「何が悪化するの?」
・歪曲
「売上のことを考えれば、プロモーションの方が大事だ」
→ 「売上重視が基本方針?」
・一般化
「現在のやり方は変えられない」
→ 「何がその障害になっている?」「もし変えたらどうなるの?」
■ 展開のベクトル
・幅出し(ヨコ方向)
ひとつの論点に対し、情報のヌケモレを防止するために、
きめ細かく問いかけを続けることも必要でしょうね。
質問文の定石として「5W1H]も有効な問いかけだと思います。
・チャンクダウン(シタ方向)
情報をさらに深く掘り下げ、具体化を図る問いかけも必要です。
特に、回答が抽象的で、本質が見えない時など、
「具体的には?」とか「例えば?」といった問いかけで本質を理解しましょう。
また、トヨタの問題解決法で「Why?」を5回繰り返すというものがあります。
これも、チャンクダウンのひとつと考えられますね。
・チャンクアップ(ウエ方向)
また、話が枝葉末節におよび、本質が見えないこともあります。
その場合、一旦その話を引き取り、取りまとめて確認する作業が必要です。
つまり、「貴方が言いたいことはこういうことですか?」といったスタイル。
これを「パラフレージング」と呼びます。
こんな様々な展開の技法を用いて、メインイシューの本質に迫ってください。
■ Why?のネガティブ効果
チャンクダウンで、「Why?」を5回繰り返すという例を話しましたが、
実は「Why?」は非常に強いコミュニケーションワードで、
ネガティブな効果を持っています。
例えば、母親が子供を叱るとき、
「なんで、いつも言っていることが守れないの?」
なんていう言葉使いをしますよね?
これは、Whyで始まる疑問文ですが、その真意は「叱責」ですよね?
前述のメタモデルでも、質問には「Why?」を使わず、
4W1Hで問いかけると言われています。
実際に「Why?」を使わなくても、目的を達成することはできます。
How?「どうしたら良くなるか?」
What?「何が良い(悪い)のか?」
と言いかえるだけで、とても答えやすい質問になるはずです。
以上、場の創り方、質問の投げ掛け方などについてまとめてきました。
しかし、質問の現場では、想定外の出来事もあります。
そんなリスクについて、考えてみましょう。
次のページ■ リスク(1)「話したくない!」
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