高尚な交渉ゲーム

2007.08.20

経営・マネジメント

高尚な交渉ゲーム

野町 直弘
調達購買コンサルタント

購買ネットワーク会で「交渉ゲーム」をやりました。素晴らしく興味深いものでした。 日頃ロールプレイやケーススタディの重要性は認識していたつもりでしたが、改めてその意義の高さにびっくり。

先日、購買ネットワーク会で新しい試みをしました。
「交渉ゲーム」です。

参加者をバイヤー4チームとサプライヤ4チームに分け、それぞれのチームに個別のシナリオを渡し、それを元に交渉戦略の作成→見積りの入手→担当レベルの交渉(2回)→部長レベルの交渉(1回)→最終妥結。
というプロセスで実施しました。

最終的にどのチームがどのようなプロセスで交渉を行い、結果的にどのチームが一番安く(高く)購入したか、で最優秀チームを表彰するようなゲームです。

私自身も以前ここまでのレベルのものではなかったですが、交渉シナリオに基づく交渉ロールプレイを日本能率協会のトレーニング等で実施したことはありました。
ただ、ここまで時間をかけてやったことは初めてでした。

結果としては、「非常に面白い!役に立つ!」ものだったと思います。

交渉術は各バイヤー様々です。
ましてや普段は買う立場のバイヤーが売る立場のロールでサプライヤ役をやっていたり、バイヤーの中でも各チーム内で様々なスタイルの交渉術が見られたり、をベテランバイヤーが若手バイヤーに交渉のやり方を伝授する光景もみられました。

何せ、皆、だんだん本気になってきます。

その中でも「交渉の順番」と「交渉をするかしないかという選択肢」は実際のフェースtoフェースでの交渉現場以上に、重要なファクターであることを私自身も実体験しました。

当日は、供給側の供給量が購買側の購入量を全量カバーできない、という前提でシナリオが作成されていたため、結果的に物の必要量を買えないチームがでてくる筈だったのですが、実際には、あるチームがウルトラCを出してきたため、
このシナリオ通りには運びませんでした。

それはそれで、たいへん興味深い結果になったと思います。
正に予測できない結果に驚きました。

私も外資バイヤー時代に米国流の「交渉術」のトレーニングを受講したことがありましたが、このようなリアルなケースに基づく現場感覚に溢れるセッション
ではありませんでした。

購買ネットワーク会のパワーにはいつも圧倒されます。

発起人であり、幹事の一員でありながら、こちらで用意したセッションに対し、期待を超える盛り上がり方と熱意が感じられると共に、何かを得て帰ろうという参加者の方の意識の高さが、上手い具合に会の質を向上させているのでは
ないでしょうか?

この会の凄さは、また多くのことを学べる場になっていることです。
私も色々なセミナー、トレーニングをしていますが、本当に意味のあるトレーニングとは、意味のあるコンテンツを教え込むことではなく、参加者の学ぶ意識を高めることができる場作り、なのではないか?と思うようになりました。

まだ参加されていない方は是非参加してみてください。
購買関連の仕事をやっていない方でも大歓迎です。
そういう意味ではどなたでも参加できるハードルが低い会です。

ただ、土曜にやります。500円徴収します。つまり、意識が高くないと参加しません。そういう意味ではハードルが高い会です。

「日本で一番ハードルが低く、ハードルが高い会」を目指しています。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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